北欧デザインブランド【kippis】がお届けする、くまのクルタとウサギのトプソの物語。北欧の暮らしや言葉遊びを、デザイナーの島塚絵里さんの体験エッセイとともにご紹介します。
夏至が過ぎると、フィンランドは本格的な夏を迎えます。この季節はなにしろ日照時間が長く、ヘルシンキでは日の出が3時54分、日の入りが22時49分(6月25日現在)。北へ行けば行くほど日は長くなり、ラップランドでは全く日が沈まない日々が続きます。
フィンランドに移住したての頃は、こんな明るいなかで、みんなどうやって寝ているんだろうと不思議に思いました。友人が、「目を閉じたら暗いから眠れるよ」と教えてくれたので、半信半疑で目を閉じてみました。しかしちっとも暗くならず、すっかり寝不足になりました。
暫くすると、みんながそれぞれ明るい夜に眠るための工夫をしていることがわかりました。ラップランドに暮らす友人はベニア板で窓を覆い、完全なる暗闇を作っています。私たち家族の場合、寝室は遮光カーテンを使い、夏小屋に滞在する際にはアイマスクを使っています。ただどんなに対策しても、夏の間は眠りが浅くなってしまうのは否めません。フィンランドで暮らすうちに、いずれやってくる暗い冬の季節に寝だめすればいいかと、一瞬の輝く夏を楽しもうという気持ちに変化していきました。
ー text by Eri Shimatsuka
日本よりも季節の変化が激しい北欧。それを辛く感じるのではなく、夏も冬も季節を楽しもうとする心意気が素敵ですね。次回もお楽しみに♪
現在はマリメッコ、サムイ、ラプアン カンクリなどの国内外ブランドやメーカーにデザインを提供。『フィンランドで気づいた小さな幸せ365日』(パイ インターナショナル)などの著書があり、2022年にフィンランドで絵本『Kettuja hiljaisuus(きつねと静けさ)』も出版。
About kippis
kippis(キッピス)は北欧テキスタイルデザインのブランド。
フィンランド語でkippisは「乾杯」の意味。一日の終わり、ほっと解き放たれるような感覚をくれる「乾杯」の瞬間は、日々の暮らしのごほうびのようなもの。そんなあたたかなひとときをイメージして、デザインを展開しています。
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illustration : Eri Shimatsuka edit & text:kippis
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