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三戸なつめさん「大人と子供が混じる“今”を表現したい」書籍インタビュー 三戸なつめさん「大人と子供が混じる“今”を表現したい」書籍インタビュー

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短い前髪がトレードマークの人気者、三戸なつめさんが初のフォトエッセイ『なつめろん』(8月12日発売)を発表。芸能活動10周年のアニバーサリーブックでもあり、彼女の魅力が凝縮した一冊に。撮影のために大好きな台湾に旅をして、エッセイにも初挑戦。細部にまでこだわって作り上げたという、本書に込めた思いを伺いました。

目次
三戸なつめさん「大人と子供が混じる“今”を表現したい」書籍インタビュー
  1. エッセイに、手書きのメッセージやイラストでゆるさを添えて
  2. ポジティブもネガティブも隠さずに、正直に
  3. “おとなつめ”とは、与える側の人になること
  4. 芸能活動10周年記念フォトエッセイ『なつめろん』
  5. Profile

エッセイに、手書きのメッセージやイラストでゆるさを添えて

20歳頃から等身大のファッションアイコンとして、カリスマ的な人気を集めていた三戸なつめさん。芸能活動10周年のアニバーサリーブック『なつめろん』は、三戸さんの“やりたい”を叶えた一冊だといいます。

「これまでの振り返りも含めて、今の自分を表現できるようなフォトエッセイを作りたかったんです。30代になって“おとなつめ”になったので(笑)。といっても、大人の私とちょっとふざけた子供の私が混ざっている感じなので、その二面性を出したいなと。写真と活字だけだと堅苦しく見えたので、手書きのメッセージやイラストを加えて、ちょっとゆるい雰囲気とか手作り感とか、あたたかみを出しました。手に取ってくださった方の日常に入り込みたくて、最後の最後まで妥協せずに作りました」

台湾ロケで撮影した写真は、茶目っ気のある表情やゆるっとほどけた笑顔、大人っぽい佇まいまで、いろんな彼女を映し出しています。写真は映画『少女邂逅』をはじめ美しい作品で知られる映画監督・枝優花さんが手がけ、まるで二人で旅をするように撮影したのだとか。

「台湾は華やかな街並みや雑貨や食器のデザインなど、計算されていないかわいさがたまりません。街の人たちも優しくて、ちょっと気楽な雰囲気が大好きなんです。枝さんとの撮影は本当に楽しくて、ご飯を食べながら、街歩きしながら撮影を重ねていったので、少しふざけた写真があったり、旅の楽しい気分がそのまま映し出されています。撮影の裏話も書いているので、一緒に旅する気分を味わっていただけたら」

ポジティブもネガティブも隠さずに、正直に

エッセイにも初めて挑戦し、自分の気持ちを文章で伝える難しさを感じたと明かします。

「正直に嘘をつかずに書くことを第一に、みんなに話しかけるような気持ちで、ありのままの自分の表現を心掛けました。だから、ものすごく自分と向き合いましたし、自分の文章をなかなか客観的に見られなくて迷ったこともありました。最初に書いた文章はストレートすぎたので、エピソードを足したり、言葉使いを見直したりして、何度も手を入れました」

“なつめ語”ともいえる独特の言いまわしや心地よい言葉のリズムは、軽やかなのに心にじんわりと響きます。そうした言葉を紡いでいるときに、ネガティブとポジティブ、自分の二面性を実感したのだとか。

「根がネガティブなので、書いているうちにネガ寄りになっちゃうことがあって……。そんなときは、読んでくださる方が明るい気持ちになれるようにと思い直して、軌道修正しました。これも、私の二面性の表れなんですよね。ネガティブが極まるとポジティブになるというか。エッセイにも書いたのですが、後ろ向きな気持ちになっていると『今、悲劇のヒロインになっているよ』みたいな自分が表れて、『そうだよね、ヒロインぶっててキモいわ』って気付いてポジティブに転換するんです。ツッコミを入れる冷静な自分も、“おとなつめ”なのかもしれません」

“おとなつめ”とは、与える側の人になること

子供から大人への変化を三戸さんが意識し始めたのは、20代後半の頃。年下の人たちと仕事をすることが増えて、次第に実感するようになったそうです。

「それまでは自分が一番年下で、先輩方にかわいがってもらうばかりだったんです。後輩たちが話していることを『自分もそうだったな』と感じたり、ちょっと落ちこんでいるときに何かしてあげられることはないかなと思っちゃったときに、これが大人というものなのかしらんと思うようになりました」

そこで、三戸さんが感じる大人と子供の違いを聞いてみると……。

「与える側の人になるのが大人だと思います。子供ってやっぱりもらう側で、今でも大人の方と一緒にいると甘えてしまいますし、アドバイスをもらったりしてしまいますね。自分のなかでは大人と子供は、半々くらいなのかなぁ。僭越ですが、この本を通して私なりに33年間生きてきた経験を伝えることで、『三戸なつめ、こんなだけどうまく生きてんじゃん。じゃあ、自分もできるかも』って誰かの気づきになったら嬉しいです」

誰しも年齢とともに経験を重ね、少しずつ少しずつ、自分でも気づかないうちに大人になっていくのかもしれません。その扉を開いた彼女は、これから先の“なつめ”像をどんなふうに思い描いているのでしょうか。

「やりたいことを思う存分やらせていただけた10年でした。これからも、今までやってきたことをアップデートしながら、自分を表現していきたいです。いつか個展が開けたらいいな。短い前髪は変わらずに好きなので、これからも続くんだろうなって思っています(笑)」


三戸なつめさん 芸能活動10周年記念フォトエッセイ『なつめろん』

三戸なつめ/¥2,970(宝島社)

三戸なつめの芸能活動10周年記念フォトエッセイ。映画監督の枝優花とともに台湾を旅して撮り下ろした写真は、まるで映像作品のようにドラマチック。本書のために書き下ろしたエッセイや手描きのメッセージ、イラストなどたっぷり収録。仕事論やライフスタイル、人生を楽しく生きる工夫などを、ゆる~く語っています。30代になった“おとなつめ”の今を、たっぷり詰め込んだボリューム満点の一冊です。
『なつめろん』(宝島社)
 『なつめろん』出版記念サイン会 

●大阪会場

日程:2023年8月26日(土)

会場:ヨドバシカメラマルチメディア梅田店

内容:トークイベント(観覧無料)&サイン会

時間:トークイベント 14:30~

サイン会 第一部(2冊券)15:30~ / 第二部(2冊券)16:15~ / 第三部(1冊券)17:00~

トークゲスト:近藤夏子

サイン会参加方法:8月12日(土)9:30より店頭にて特典券付きフォトエッセイを販売

 

●東京会場

日程:2023年9月2日(土)

会場:SHIBUYA TSUTAYA

内容:サイン会

時間:第一部(2冊券)12:00~ / 第二部(2冊券)13:00~ / 第三部(1冊券)14:30~

参加方法:8月12日(土)12:00よりSHIBUYA TSUTAYA公式オンラインストアにて参加券を販売


Profile

みと・なつめ/1990年2月20日生まれ、奈良県出身。2015年に中田ヤスタカプロデュースで『前髪切りすぎた』でアーティストデビュー。2018年より、本格的に俳優としても活動を開始。俳優、モデル、タレントなど幅広いジャンルで活躍。近年の出演作に映画『シノノメ色の週末』(21)、『LOVE LIFE』(22)、ドラマ『元彼の遺言状』(22/フジテレビ)など。

こちらもチェック!

photograph:Chihiro Oshima styling:Kayo Fujiwara hair & make-up: Azusa Katsuragawa(CANNA)  text:Harumi Yasuda
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