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プレ更年期になりやすい人って? 婦人科にはいつ行くべき? 30代後半から知っておきたいこと プレ更年期になりやすい人って? 婦人科にはいつ行くべき? 30代後半から知っておきたいこと

「もしかしたら私、プレ更年期かも?」気になる症状があったら、我慢せずに婦人科クリニックへ。30代後半からは定期的な検査がおすすめです。婦人科に行く前に知っておくべきことや実際にどんな診察をするのか、産婦人科医・大山 香先生に教えていただきました。

>> まずは【プレ更年期チェックリスト】で自分の体調をチェック↗

目次
プレ更年期になりやすい人って? 婦人科にはいつ行くべき? 30代後半から知っておきたいこと
  1. 教えてくれた 産婦人科医・大山 香先生 profile
  2. 「プレ更年期」はこうして起こる
  3. 婦人科に行く前に知っておきたい3つのこと
  4. 婦人科での診察の流れが知りたい!

教えてくれた
産婦人科医・大山 香先生 profile

産婦人科医・大山 香先生
日本産婦人科学会専門医。女性ヘルスケア専門医。女性ライフクリニック銀座で臨床にあたる。わかりやすい説明で患者の不安をやわらげる診療を心掛ける。著書に『プレ更年期1年生━その不調、すべて女性ホルモンの減少が原因かも!』(つちや書店)がある。

「プレ更年期」はこうして起こる

真面目な人、ストレスが多い人は症状が早く出やすい!

更年期を感じやすい女性
女性ホルモンは「守りのホルモン」ともいわれ、女性が無事に妊娠・出産できるよう抵抗力のある体づくりに役立つ存在。20〜30代前半にピークを迎えますが、30代後半くらいからその分泌量が徐々に減少。この時期を「プレ更年期」といい、今まで女性ホルモンの力によって抑えられてきた不調が表面化してきます。やる気が出ない、疲れ、不眠などの症状を感じたら、いちど婦人科で相談してみましょう。婦人科疾患が増える40代に入ったら、定期的な検診も大切。美容室やネイルサロンに行く気軽さで習慣化したいものです。

女性の一生とホルモンサイクル

女性の一生とホルモンサイクル
30代後半から女性ホルモンの分泌量の低下とともにプレ更年期の症状が表れ、閉経を過ぎると分泌量はほぼゼロに! 女性ホルモンの守護力が弱まり、不調が出やすくなります。

婦人科に行く前に知っておきたい3つのこと

☑︎ 気になる症状と月経周期等をメモしておく

婦人科を初めて受診する場合、問診票の記入から始まります。最終月経や月経の周期、月経痛や月経不順の有無などの項目があるので、日ごろから月経の記録をつけておくと役立ちます。周期は数か月前までさかのぼってだいたい把握しておくといいでしょう。気になっている症状や聞きたいことは、あらかじめメモしておくとスムーズです。また、自身や家族の病歴、食事や運動習慣、基礎体温などを記入する場合もあります。

☑︎ 受診のタイミングは、月経開始後2日〜1週間がベター

「プレ更年期」「更年期症状」と思われる不調がある場合は、血液検査で女性ホルモンの数値を計測します。「女性ホルモンは周期により数値が大きく変動するので、月経開始から2日後から1週間以内くらいのタイミングで検査するのがおすすめです」(大山先生)。女性ホルモンの値は個人差も大きいので、1回の検査で判断するのではなく、複数回検査を行うことも。また、年齢による変化を確認するため、時期を経て定期的に検査を行うことも大切です。

☑︎ホームページで更年期障害について発信しているクリニックを選ぶのも手

プレ更年期の不調は人によって症状がかなり違うため、本人が置かれている環境の聞き取りを含む、ていねいなカウンセリングが必要。しかし、婦人科クリニックの中には、あまりカウンセリングに時間をかけられないところも多いのが現実です。クリニックを選ぶときは、ウェブサイトで更年期に関する情報を発信しているところを選ぶのもひとつの方法。特にプレ更年期の場合は漢方の処方に精通している医師がいるクリニックもおすすめです。

【主な問診内容】
・来院の目的
・月経について(周期と量、最終月経日など)
・これまでの病歴と家族の病歴について
・体質、生活習慣について(アレルギーや嗜好品など)
・妊娠、出産について
・気になっている症状について


婦人科での診察の流れが知りたい!

婦人科では、問診票の記入、医師とのカウンセリングで症状を確認し、必要に応じて内診や超音波検査で子宮や卵巣の状態を調べたり、血液検査で女性ホルモンの値を調べたりします。最近では、女性ホルモン値は人間ドックのオプションで調べられるところも増えています。また、プレ更年期、更年期にみられる症状は甲状腺疾患による症状と似ているので、甲状腺ホルモンの検査を行うことも。「プレ更年期」と疑われる場合は、睡眠や栄養バランスを整えたり、自律神経を整えるヨガをしたりするなど、セルフケアからスタート。それだけで改善する人も多くいるので、35歳からは規則正しい生活を心がけましょう。あまりよくならない場合は漢方薬の処方や、低用量ピル、年齢によってホルモン補充療法などに進みます。治療法にはいくつかの選択肢があるので、自分の心と体の状況に合った方法を医師と相談しながら進めることが大切です。

問診票の記入

カウンセリング…気になっている症状について医師が確認

内診…膣、子宮、卵巣の状況を超音波や内診で確認

血液検査、尿検査等…プレ更年期が原因の不調と疑われる場合は血液検査で女性ホルモンの値をチェック

セルフケアの指導、薬の処方…医師と相談し、必要に応じて漢方薬や低用量ピルの処方が行われることも

婦人科の主治医を持ちましょう

女性の不調は、ホルモンの変動との関係があるかどうか見極めるのが難しいため、婦人科の主治医を持ち、長期間診てもらうことがベストです。また、女性の人生は女性ホルモンによって大きく左右されるもの。フランスでは10代から親と一緒に婦人科に通い、女性の体の変化を若いころから学ぶ機会があるそうですが、日本ではまだまだ婦人科のハードルが高いと感じている人も。自身のライフプランのためにも主治医を持ち、婦人科検診を習慣化してみてはいかがでしょうか。

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illustration:Shinco Uematsu text:Ema Tanaka web edit:Riho Abe
リンネル2023年8月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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