毎日ひとつだけ新しいことをやってみたり、旅行の計画を立てたりすることは、実は脳の若返りに効果的なんです。前編に引き続き、今すぐに実践できる脳が若返る4つの習慣を、脳科学者の西 剛志先生に教えてもらいました。
教えてくれた 脳科学者・ 西 剛志先生 profile
脳を若返らせる生活習慣
「脳の認知機能を衰えさせない鍵は、“やる気”の源であるドーパミンや、愛情ホルモンであるオキシトシンを減らさないこと」と西先生。
ドーパミンは年齢とともに減少しますが、オキシトシンはむしろ増えていくことがわかっています。つまり、家族や友人など、人とのつながりを持つことが脳のためには大切なのです。脳の老化を遠ざける以下のような習慣を取り入れて、脳の認知機能を取り戻していきましょう。
【習慣5】ネガティブな言葉のあとに「でも」をつける
脳は使った言葉の影響を受けることがわかっています。「疲れた」と言った瞬間に、疲れたイメージが脳に浮かび、その結果、脳が疲れた状態に。思わずネガティブな言葉を言ってしまった場合は、「でも、がんばった」「でも、もう終わった」など、「でも」をつけ加えるのがおすすめ。脳は最後にきた言葉を印象に残しやすいという性質があり、「疲れた、でも、がんばった」なら、「がんばった」という印象が残ります。西先生の実験でも「疲れを感じにくくなった」という人が多数いたそうです。
【習慣6】夫婦やパートナーで記念日をしっかり祝う
脳の老化を防ぐには、人間関係、特に夫婦やパートナーとの関係も大切。パートナーとの間に会話がないという状態では、脳の刺激になりません。おすすめは、非日常なことを一緒に体験すること。たとえば、記念日に普段行かないようなレストランに行く、旅先でウォーターアクティビティに挑戦すると一体感が高まり、脳が活性化されます。パートナーがいない場合、一人でも仲がいい友人がいると、脳の認知機能が高まります。友人の数より質が重要です。
【習慣7】少し先の旅行の計画を立てる。日帰り旅行もOK
少し先に楽しみがあると、脳が活性化することがわかっています。たとえば、旅行の計画を立てると、行くまでの間にワクワクしてがんばれるような気がするはずです。実は旅行の効用は非常に大きく、「8週間後に旅行を計画しているときは、幸福度が高い」「6日間リゾート施設に滞在しただけで、ストレス耐性が上がった」という研究があるほど。ライブでも観劇でもいいですが、少し先に楽しみになるような予定を入れましょう。
【習慣8】「いつもと同じ」をやめて、一日ひとつ新しいことをやる
「新しいこと」は脳の認知機能の向上に欠かせない要素。人間はついいつもと同じことをやってしまいがちですが、日常のちょっとしたことでよいので、何かいつもと違うことをやってみましょう。散歩や通勤のルートを変える、季節の花を飾ってみる、新製品のお菓子を買う、知らないお店に入ってみる、いつもと違う人と会話してみる、などなど。毎日ひとつずつ取り入れ続けると、脳が活性化され、若々しい状態に保つことができます。
<やる気が起きないときは>
なんだかやる気が起きない……そんなときは、やろうとしたことを「20秒だけ」やってみるのがおすすめ。脳には「作業興奮」という性質があり、一度始めると、そのままやり続けることができます。
こちらもチェック!
illustration:Naomi Mori text:Ema Tanaka web edit:Riho Abe
リンネル2023年9月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください
Related Article おすすめ記事
-
【3つのHSPタイプと適職診断】自分の特性と繊細さを生かす職業と働き方は? 【3つのHSPタイプと適職診断】自分の特性と繊細さを生かす職業と働き方は?
-
若いのに、最近もの忘れ増えていませんか? 若年層で急増中する「脳機能低下」の原因とは 若いのに、最近もの忘れ増えていませんか? 若年層で急増中する「脳機能低下」の原因とは
-
敏感で疲れやすい…「HSP」な自分を生きやすくする3レッスン 敏感で疲れやすい…「HSP」な自分を生きやすくする3レッスン
-
【脳機能低下の予防法:仕事編】マルチタスクは要注意! デスクワーク中に脳を若返らせる3つの習慣 【脳機能低下の予防法:仕事編】マルチタスクは要注意! デスクワーク中に脳を若返らせる3つの習慣
-
【脳が若返る8つのこと:前編】白髪は染めたほうがいい!? 今すぐできるアイデアを脳科学者に聞きました 【脳が若返る8つのこと:前編】白髪は染めたほうがいい!? 今すぐできるアイデアを脳科学者に聞きました
-
福士加代子さんとマラソン対談! 【kazumiさんのフルマラソンへの道 vol.3】 福士加代子さんとマラソン対談! 【kazumiさんのフルマラソンへの道 vol.3】
-
更年期の症状を感じたら、どんな薬があるの? 漢方や低用量ピルなど、症状や年齢に合うものを知ろう 更年期の症状を感じたら、どんな薬があるの? 漢方や低用量ピルなど、症状や年齢に合うものを知ろう
-
35歳からの「プレ更年期」6つのセルフケア。今から始めて更年期症状を和らげよう 35歳からの「プレ更年期」6つのセルフケア。今から始めて更年期症状を和らげよう
-
プレ更年期になりやすい人って? 婦人科にはいつ行くべき? 30代後半から知っておきたいこと プレ更年期になりやすい人って? 婦人科にはいつ行くべき? 30代後半から知っておきたいこと
-
忙しい女性の間で「プレ更年期」が急増中! 35歳から備えるチェックリストで現状を知ろう 忙しい女性の間で「プレ更年期」が急増中! 35歳から備えるチェックリストで現状を知ろう
-
敏感さんが生きやすくなる暮らしのヒント 【HSPのメンタルヘルスケア】 敏感さんが生きやすくなる暮らしのヒント 【HSPのメンタルヘルスケア】
-
敏感さんのお悩み相談室。心を軽くするQ&A【HSPのメンタルヘルスケア】 敏感さんのお悩み相談室。心を軽くするQ&A【HSPのメンタルヘルスケア】
-
【HSPってどんな人】自分やあの子は繊細さん? 人によって異なる感じ方の違い 【HSPってどんな人】自分やあの子は繊細さん? 人によって異なる感じ方の違い
Latest News
HEALTH
-
[PR]「温め」で不調を乗り切る! 【はまじさんと考える】フェムケア温活のススメ 「温め」で不調を乗り切る! 【はまじさんと考える】フェムケア温活のススメ
-
【40~50代の更年期症状を和らげる6つの習慣】今すぐ取り入れたいセルフケアと、更年期世代におすすめのインナーケアアイテム 【40~50代の更年期症状を和らげる6つの習慣】今すぐ取り入れたいセルフケアと、更年期世代におすすめのインナーケアアイテム
-
【更年期対策】 30代後半~50代までの月経や体の変化をチェックして、更年期を迎える前に心づもりを。 【更年期対策】 30代後半~50代までの月経や体の変化をチェックして、更年期を迎える前に心づもりを。
リンネル最新号&付録
2025年1月号
暮らしの道具大賞2024
- 付録
- marble SUD[マーブルシュッド]
ボアバッグ&
リング付きちょうちょ柄丸ポーチ
特別価格:1,520円(税込) / 表紙:上白石萌音 /
2024年11月20日(水)発売 ※一部の地域では発売日が異なります