LIFESTYLE
:【女子旅 佐賀県】 博多から約90分。歴史と文化が薫る“やきもん”の町・唐津でグルメ&窯元めぐり
LIFESTYLE
:海と山に囲まれ、やきものの町としても知られる佐賀県唐津市。九州になじみがないと“行き方がわからない”という声もよく聞かれますが、福岡空港から電車で約90分とアクセスもよく、1泊2日の週末トリップでも充実した旅が叶います。この夏、美食と唐津焼を楽しむ口福な旅へでかけましょう。
自然・歴史・文化・美食に彩られた城下町・唐津
玄界灘に面し、歴史と文化に触れられるスポットが点在している唐津。特に唐津駅周辺は、観光名所や飲食店がコンパクトにまとまっていて、海へも歩ける距離なので、短い滞在でも町と自然の両方が楽しめます。
●唐津城
唐津のシンボルである「唐津城」は、全国でも珍しい海に面した城で、東西に伸びる松原が翼を広げた鶴のように見えることから、別名「舞鶴城」と呼ばれています。五層の天守閣内部は展示室になっていて、最上階の展望フロアから望む唐津湾と虹の松原の大パノラマが圧巻です!
●唐津湾と虹の松原
唐津にはさまざまな海水浴場が点在していて、SUPやダイビングなどのマリンレジャーも盛ん。唐津の中心街に近い海岸では、「東の浜海水浴場」が有名で、全長約2㎞の白砂のビーチがリゾート気分を盛り上げてくれます。
東の浜を中心とした唐津湾沿いには、国の特別名勝「虹の松原」が広がり、「三保の松原」「気比の松原」とともに日本三大松原の一つに数えられています。全長約4.5kmの松原を縫うように伸びる県道347号は、木漏れ日に包まれた気持ちのいい一本道で、爽快なドライブが楽しめます。


虹の松原に行ったらぜひ立ち寄りたいのが、唐津で60年以上愛されている「からつバーガー」。マイクロバスのキッチンカーでおなじみの本店は、松原を通る県道347号沿いにあり、佐賀県産の牛肉を使ったご当地バーガーが味わえます。一番人気は佐賀県産の牛肉を使ったパティとハム、チーズ、目玉焼き、レタスをサンドしたスペシャルバーガーで、特製のデミグラスソースが食欲をそそります。
個性豊かな唐津焼の窯元をめぐる
唐津といえば「唐津焼」が有名ですが、市街地から山間部までの広い地域に約70もの窯元が点在する、日本を代表するやきものの産地です。毎年4月29日~5月5日には「唐津やきもん祭り」が開催され、唐津の中心市街地を会場に、ふだんはなかなか会えない唐津焼の作家の方々と交流しながら、じっくりと器を選ぶことができます。
●中里太郎右衛門陶房
唐津焼を語るうえで欠かせないのが、約430年続く名窯「中里太郎右衛門陶房」です。旧唐津藩の御用窯を務めた中里家直系の窯元で、十二代中里太郎右衛門が明治以降に途絶えつつあった古唐津を復興し、人間国宝に認定。現在は十四代が伝統技法を引き継ぎながらも、革新的な作品を生み続けています。
陳列館では、中里逢庵(十三代太郎右衛門)と十四代中里太郎右衛門の作品をはじめ、陶房の職人が作陶した器も展示販売。ふだん使いに最適な手頃な品も並びます。

御茶盌窯通りの路上にあしらわれた絵唐津の陶板
●隆太窯
唐津の市街地から少し離れた里山に工房を構える「隆太窯」は、ここを目的地に唐津を訪れる人も多い人気の窯元です。十二代中里太郎右衛門の五男である中里隆さんが1974年に開窯し、現在は息子の太亀さん、孫の健太さんの親子3代で作陶しています。

やわらかな光が降り注ぐ空間で、じっくりと器を選べる

素朴で温かみのある中里太亀さんの作品
小川が流れる敷地内には、古材を使った作業場やギャラリー、登り窯があり、タイミングが合えば作陶の様子も見学できます。一度この地を訪れると、隆太窯の器を使うたび、のどかな里山の景色が浮かんで、穏やかな気持ちで満たされます。
美食の町・唐津で食べたい絶品グルメ
●呼子のイカ
玄界灘に面した唐津は新鮮な魚介の宝庫で、なかでも「呼子のイカ」は佐賀を代表する名物です。鮮度抜群の活き造りは、キラキラと輝く透き通った身が特徴で、コリコリとした歯ごたえと甘味が絶品! これだけ新鮮なイカを味わえるのは産地ならではの贅沢。大きな生け簀を備えた割烹料理店「山茂」(写真)では、イカの活き造りを注文すると、下足は塩焼きか天ぷら、耳はにぎりにしてくれます。
●佐賀牛
全国に数ある銘柄牛の中でも、トップクラスの黒毛和牛として名高い「佐賀牛」。穏やかな気候のもと、玄界灘の潮風を受けて育った佐賀牛は肉質が柔らかく、コクのある甘味が特徴です。佐賀県の中でも唐津は佐賀牛の主要産地で、市内には佐賀牛が味わえる飲食店が多数あります。和牛ステーキ専門店「キャラバン」(写真)では、A5ランクの佐賀牛を鉄板焼きやハンバーグ、焼きしゃぶやあぶり寿司など、さまざまな調理法で堪能できます。
●豆腐料理
寛政年間に創業し、約200年もの間、地元の人に愛されてきた「川島豆腐」。江戸時代には唐津城藩主に豆腐を献上していた歴史ある豆腐店で、ざる豆腐を世に送り出したことでも知られています。
豆腐店に併設された「日本料理会席かわしま」では、唐津の旬の食材と豆腐で織り成す懐石料理が味わえます。気軽に豆腐料理を楽しむなら、「豆腐料理かわしま」として営業している完全予約制の朝食がおすすめ。作りたてのざる豆腐や厚揚げはおいしさが格別で、おから炒り、胡麻豆腐、みそ汁、うずみ豆腐、デザートまで、豆腐尽くしのコースが堪能できます。

こちらでは、主に「隆太窯」の器を使っていて、お料理との合わせ方がとても素敵。すぐにでも器を探しに行きたい気持ちになります。
●唐津の新ソウルフード「パキスタン」
“うわさのパキスタン”と描かれた店先の黒板が目を引く「caffe Luna」。焼きそばにミートソースをかけた新潟のソウルフード「イタリアン」をヒントに、店主の前田真子さんがナポリタンにスパイシーなカレーをトッピングした「パキスタン」を考案するとたちまち話題になり、唐津の新ソウルフードとして定着しています。
このパキスタンに、チーズと玉子をのせてオーブンで焼いた「焼パキ」や、ナポリタンをオムレツで包んでカレーをかけた「オムパキ」など、派生メニューも禁断のおいしさです。


「caffe Luna」では唐津焼の器を大切に使っていて、欠けてしまった器も捨てずに、前田さんがピアスとイヤリングにリメイクしています。これらの陶片アクセサリーは、店頭の「唐津焼ガチャ」で販売していて、おみやげにも人気です。もともとの器が素敵なので、陶片アクセサリーもオシャレで個性的。ほかにも、唐津駅総合観光案内所と「ちょこバル」に唐津焼ガチャがあり、それぞれ異なる唐津焼作家の作品が入っていて、何度も挑戦したくなる楽しさです。
こちらもチェック!
photograph:Michi Murakami, Chiaki Tanabe edit & text:Chiaki Tanabe
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
おすすめ記事 RELATED ARTICLES
Recommend
SNAPRanking
DAILY
/
WEEKLY






















































