【1泊2日の女子旅 石川県】 OMO5金沢片町 by 星野リゾートとその周辺で“ディープな金沢”を満喫

「OMO5金沢片町」があるのは、北陸有数のグルメタウンとして知られる金沢の中心街・片町。ホテルを一歩出れば、レストランやカフェ、クラフトショップが点在し、食べ歩きやショッピングにも事欠かないエリアです。

そんなにぎやかな街に溶け込むように佇む館内へ足を踏み入れると、フロントでは郷土玩具「加賀八幡起上がり」をイメージした九谷焼アートがお出迎え。ここから金沢時間がゆっくりと始まります。

フロントのすぐ隣にある「OMOカフェ&バル」は、朝食からバータイムまでシーン別のフードやドリンクが楽しめるオールデイダイニング。“夜遅くまで開いている”という安心感が嬉しいですね。

フロントでセルフチェックインを済ませたら、いよいよ客室へ。「暮らすようにくつろぐ」をテーマにした客室は全6タイプあり、靴を脱いでリラックスできる空間に。今回泊まったスーペリアルームは、女子旅や二人旅にちょうどいい広さでした。

ふかふかのツインベッドに加えて、足を伸ばしてくつろげる大きなソファもあり、居心地も抜群。さらに、洗面台が二つあるダブルシンク仕様なので、朝の身支度が重なる女子旅でも自分のペースで快適に過ごせます。

ひとり旅なら、160cm幅のダブルベッドを備えたクイーンルームがおすすめ。広めのベッドにどーんと寝転がれるのはひとり旅ならではの贅沢です。部屋にはゆったり使えるテーブルもあり、パソコンを広げても余裕たっぷり。テーブルランプもついているので、ワーケーションにもぴったりです。

室内にはホテルオリジナルデザインの九谷焼そばちょこや、金沢の冬の風物詩・雪吊りのイラストをあしらったカーテンなど、風流なアイテムがあちこちに。お部屋でくつろぎながらも、さりげなく“金沢らしさ”に触れられる仕掛けがいっぱいです。

金沢旅の醍醐味は、なんといっても町歩き。まずはロビーで「ご近所マップ」をチェック。ホテルを中心に徒歩圏内で、スタッフが歩いて見つけたおすすめのお店やスポットがぎゅっと詰まったマップは、地元の名店から知る人ぞ知る穴場まで網羅。スタッフの推しコメントも添えられていて、行きたいお店が次々と見つかります。

よりディープな金沢を体験したいなら、片町の食文化に触れるお散歩ツアー「金沢片町味わいまっし散歩」に参加を。
毎日16:00～17:00に開催しているこのツアーでは、ご近所ガイドOMOレンジャーと一緒に、ご近所である片町商店街から武家屋敷跡まで歩きながら、片町のルーツや、食と伝統工芸品のつながりを詳しく聞くことができます。

夕食の店探しも兼ねて、いざツアーに参加。繁華街では、OMOレンジャーおすすめの「金沢おでん」の名店や、金沢発祥の洋食「ハントンライス」の由来など、歩くたびに飛び出す地元ネタにワクワクしつつ、長町武家屋敷跡へと向かいます。

石畳の小径が続く長町武家屋敷通りは、江戸時代に加賀藩の中級武士が暮らしていたエリア。細い路地や土塀、長屋門など、往時の面影が今も色濃く残っています。

風情ある大野庄用水沿いを散策する途中で立ち寄ったのは、「茶菓工房たろう 鬼川店」。遊び心あふれる和菓子とモダンなパッケージで人気のお店で、金沢にある4店舗のうち、鬼川店は甘味処も併設。ちょっと休憩するのにもぴったりです。

長町武家屋敷跡を後にして向かったのは「金沢中央味食街」。レトロな横丁は、その一角だけ時が止まったかのようで、思わず「こんな場所が金沢にあったの！？」と驚いてしまう雰囲気です。
知らなければ敷居が高くて入りづらそうに感じますが、OMOレンジャーにおすすめ店を教えてもらえるので安心。こうしたディープな情報を知れるのも、このツアーならではの楽しみです。

「金沢中央味食街」と同じエリアには、1950（昭和25）年から続く「金沢新天地商店街」も。地元では“新天地”の愛称で親しまれる歴史ある一角には、小料理店や寿司店、居酒屋、多国籍料理、バーなど、個性あふれる50店以上が軒を連ねます。

新天地には、全国でも珍しいチェコ料理専門店「DUB」も。OMOレンジャーが手を振ると中からシェフが出てきてくれて、その気さくな雰囲気に距離がぐっと縮まります。

ガイドブックには載っていないツウな情報が満載のツアーは、1時間とは思えないほどの充実度。金沢の日常にそっと触れられたような、発見と出会いに満ちた町歩きになりました。

夕食は、先ほどのツアー中に教えてもらった「CRAFEAT」へ。こちらは、200年以上続く輪島塗の老舗「田谷漆器店」の10代目がプロデュースする体験型レストランで、輪島塗をはじめ、九谷焼や山中塗など、石川の伝統工芸と食のコラボレーションを堪能できます。

1階はアラカルトで気軽に楽しめて、2階は完全予約制のコース料理を提供する会員制のフロアに。ただし、初回のみビジターコース（11,000円）を利用できるので、おもてなしを体験してみたい人におすすめです。

2階では高級な輪島塗を惜しげもなく使っていて、この日は蒔絵が施された75万円の蓋付き椀が登場。実際に手に取り、使うからこそ感じられる伝統工芸の本質を味わえるのも、このお店の醍醐味です。

OMOでは、寝るまでの時間を楽しむためのイベント「ローカルリズムナイト」を開催。「OMO5金沢片町」では、工芸とアートの垣根を超えた「KOGEI（工芸）」に彩られた空間で、ホテルスタッフが淹れたお茶をお菓子とともに味わえる「金沢KOGEIナイトサロン」を体験できます。

老舗茶店で学んだスタッフが、加賀棒茶の歴史や茶店ごとのこだわりを説明しながら、目の前でお茶を淹れてくれるのも魅力。お茶は日替わりで2種類を楽しめます。

季節の茶菓子は、色もデザインもさまざまで、目移りする愛らしさ。選ぶ時間から心が躍ります。

異なる2種類のお茶を飲み比べれば、色や香り、味の違いを存分に堪能できます。九谷焼の茶器や桐工芸の菓子皿など、伝統工芸品に囲まれたお茶の時間は、まさに金沢ならではの特別なひとときです。

さらに12月からは、自分でお茶を淹れ、お茶菓子とともに楽しめる体験「茶好日（さこうじつ）」もスタート。お茶は、ホテルのご近所にある「野田屋茶店」と、石川県加賀市の「丸八製茶場」から5種類を厳選。それぞれの特徴を教えてもらいながら2種類を選び、スタッフのレクチャーを受けながら淹れる時間も和やか。

お茶に合わせるお茶菓子は、「茶菓工房たろう」のあんこに「古都美」のクッキーと、金沢の名店の味が揃います。淹れたてのお茶を飲み比べる体験は、1日の終わりに心も体もほっと満たされ、心地よい眠りへと誘ってくれそうです。

photograph & text：Chiaki Tanabe

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