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:松岡茉優さんが遊び心を感じる、ピカソに出会い直す展覧会 【ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ 開催中!】
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パリ国立ピカソ美術館が所蔵するパブロ・ピカソの作品にインスピレーションを受け、イギリスのデザイナーポール・スミスさんが会場レイアウトを考案した、かつてない展覧会「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」が、9月21日まで国立新美術館で開催中です。本展でアンバサダーと音声ガイドナビゲーターを務めた、俳優の松岡茉優さんに本展の見どころからプライベートまで、たっぷりお話を伺いました。
ピカソの人生を辿る部屋

ポール・スミスさんと松岡茉優さん。Photo:小野正博(fort)
ピカソの初期を代表する青の時代の《男の肖像》や、《アルルカンに扮したパウロ》など、作品約80点を緩やかな時系列に沿って展観する本展。2023年にパリで開催されたピカソ没後50周年記念の特別展「Picasso Celebration: The Collection in a New Light!」を基にした国際巡回展で、上海に続き、日本で開催されるのは国立新美術館のみ。
英国を代表するファッション・デザイナーのポール・スミスさんがピカソの人生のさまざまな時期の感情を空間として再構成した、遊び心あふれる会場演出が見どころ。しかも、全作品が写真撮影可能です。

Photo:小野正博(fort)
例えば、自転車のサドルとハンドルという既製品を組み合わせ、牛の頭部を形作ったピカソの《牝牛の頭部》が展示されているセクション。青年期にプロの自転車選手を目指していたというポールさんは、いくつもの自転車のサドルとハンドルを用いてレイアウト。

イベリア美術やアフリカ彫刻に着想を経て、薔薇色を基調とした幾何学的な造形言語を模索していた時期の作品である、《アヴィニョンの娘たち》の習作が展示されたセクションは、ピカソが自信を取り戻していった時期の明るさを表現するようなピンク色に。

1930年代にストライプ模様を実験的に用いたピカソ。Photo:小野正博(fort)
「ピカソの作品に新しい光を当てるというのが本展の目的。この展示を企画するにあたって、ピカソのことをいろいろと学びました。ピカソは常に新しいアイデアに興味を持っていた、好奇心旺盛な人。親友を失った孤独な時期の青い部屋の隣は、明るいピンク。各部屋はピカソのその当時の気持ちが込められています。時間をかけて部屋ごとの理解を深めてほしいです」とポール・スミスさん。

最後の「展覧会のピカソ」の部屋。ピカソが制作していた間に開催されたポスターでいっぱい
「遊び心」はピュアな気持ちで楽しむこと

Photo:小野正博(fort)
本展でアンバサダーを務めている松岡茉優さん。ポール・スミスのイベントに参加したこともあり、もともと面識はあったのだとか。
「着用していた洋服の着こなしを褒めていただいたことがあり、今回のご縁を大変嬉しく思っています。ポール・スミスの洋服は、トラディショナルなものから色彩豊かなものまで、いろいろな工夫がされていて、見ていて飽きないデザイン。今回はピカソとのコラボで、ピカソがもし生きていらっしゃったら喜ばれたんじゃないかなと想像します」と松岡さん。

ヴィンテージの壁紙を使った、アッサンブラージュとコラージュのセクションにて。Photo:小野正博(fort)
実際にポールさんに会った印象については、「すごくチャーミングでかわいらしい方。手を上げて“かわいい”と言ってハグしてくださって。そんな人柄だからこそ、幅広い世代に愛される服が作れるんだと感じました」と松岡さん。
本展のサブタイトルに掲げらている「遊び心」について、こう語ります。
「今回のナレーションのなかで特に感動したのは最後の言葉。“子どもの頃はラファエロだった”ということ。子どもの頃にできていたことが大人になってできなくなるという体験はみなさんしたことがあるのではと思います。遊び心やその場を楽しんだり、自分を繕わないというのは言葉にすると簡単ですが、責任や周りからの見え方など、いろいろなものを厚化粧していくうちにわからなくなっていたものが、最近ようやくピュアに楽しめばいいと思えるようになってきました。今後も遊び心を探究していきたいと思います」

ピカソを象徴するボーダーシャツがテーマのセクションにて。Photo:小野正博(fort)
そんな松岡さんにとって、インスピレーションの源になっているものとは?
「本が大好きです。子育て奮闘記から政治本、絵本まで幅広く読みます。雑誌も大好き。本の世界は、文字のなかでどこまでも飛んでいける。1行だけで宇宙にもアランビアンナイトにも行けるし、存在しない世界にも行ける。読書は私にとって行為ではなく場所。インスピレーションをもらえる、憩いの場です。読書とごはんは、心地よい暮らしに欠かせないですね」
ピカソとポール・スミスのセンスを学んで

ポール・スミスさんと松岡茉優さん。
実は美術館の音声ガイドを務めるのは、ずっと憧れだったという松岡さん。
「美術館に行くのが大好きなのですが、音声ガイドは必ず購入する派。ファーストインプレッションは大切にしたいので、“これってどういう絵なんだろう”と思ったときに音声ガイドを聞きます。大きな会場には座る場所があったりもするので、座って聞いてから次の部屋に行ったり。美術館はゆっくり、たっぷり楽しみます。いつか任せてもらえないだろうかと思っていたので、すごくすごく嬉しかったです。
収録してみて、知らなかったピカソがたくさんいました。特に惹かれたのは、青の時代です。晩年の作品からは想像できない、陰鬱とした空気で。ピカソは91年の人生を生きるなかで、さまざまな表現にチャレンジされていて、この展覧会では初期から晩年まで余すことなく体験できる。ピカソを見たことあるなという人も、ぜひ今回ピカソに出会い直していただきたいです。まさに私ですね!」と松岡さん。

1940年代後半にピカソが没頭した、一点ものの陶芸作品も

アルルカン(道化師)の模様が壁いっぱいに広がる「子ども時代」のセクション
セクションごとにコンセプトが変わり、ひと目で作品の特徴がわかる構成。松岡さんのお気に入りの空間は?
「初めてポールさんにお会いしたときから、遊び心や子ども心を忘れないところにすごく感銘を受けています。特に子ども時代をテーマにした部屋は、その手前の部屋から遠くに《アルルカンに扮したパウロ》が見えて、子ども心と出合うような演出を受けた気がして。ポールさんの色彩もそうですが、ピカソを演出された楽しい空間だと感じました。
また、日本だけの特別というところで言うと、壁に犬や鳥が描かれていますが、そこにポールさんがある動物を描き加えてくださいました。ほかの線より薄く描かれているので、ぜひ探してみてください」

壁に描かれた犬。ここにも遊び心が感じられます

Photo:小野正博(fort)
最後に、おすすめポイントを教えてもらいました。
「ポールさんが、“ひねりの効いたクラシック”を哲学にされているという言葉が音声ガイドのなかにあります。そこがまさにピカソと融合したところなのかなと感じました。この色とこの色は意外と合うから、今度コーディネートやインテリアに取り入れてみようかなとか、刺激を受けられると思います。私もこの夏は色を取り入れていきたいので、プロの色合わせが参考になりそうです。
美術館に行くのはハードルが高いと感じている人が周りにも多いですが、今回はポールさんが作った部屋に入ったらその空間ごと楽しめるようになっているので、アミューズメント感覚で行きやすく、美術館に足を運ぶいい機会になるのでは。一人の大芸術家の芸術がこれだけ変化していて、人生にはグラデーションがあると肌で感じることができると思います」


カラフルなグッズもかわいいので要チェック!
開催情報

ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ
開催中~ 9月21日(月・祝)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
10:00〜18:00(毎週金・土曜は20:00まで。入場は閉館30分前まで)
火曜休館
入場料:一般2,400円、大学生 1,400円、高校生1,000円

1995年生まれ、東京都出身。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(13)などで注目を集める。第42回日本アカデミー賞では『勝手にふるえてろ』で優秀主演女優賞、『万引き家族』で優秀助演女優賞を受賞。主な出演作として、映画『愛にイナズマ』、映画『騙し絵の牙』、映画『蜜蜂と遠雷』、ドラマ『ギークス/GEEKS』、ドラマ『最高の教師1年後、私は生徒に■された』などがある。今後の出演作に、Netflixシリーズ『ダウンタイム』、映画『男ともだち』が控えている。
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photograph:Masahiro Ono(fort), Mari Yoshioka text & edit:Mayumi Akagi
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