真心ブラザーズ「制約が増えても、頭は大自由に」/アルバム『SQUEEZE and RELEASE』インタビュー 真心ブラザーズ「制約が増えても、頭は大自由に」/アルバム『SQUEEZE and RELEASE』インタビュー
リラックス感のあるフォーキーな楽曲から、魂を熱くさせるロックまで、常にフレッシュなサウンドで、多くのリスナーを魅了し続ける、真心ブラザーズのおふたり。今年でデビュー35周年を記念し、ニューアルバム『SQUEEZE and RELEASE』を発売しました。アルバムに込められた想いや暮らしのなかで大切にしていること、今後の活動についてのお話を伺いました。
最近になって変人だと自覚できました(笑)
━━デビューから35周年を迎えられました。活動を続けていくことで、徐々に重みみたいなものを感じますか?
桜井秀俊さん(以下桜井さん):重みはないですね。逆に、音楽活動が日常になっていく感じで。 どこかにたどり着こうという気持ちでいて、それをすべてやめてから、振り返る時間ができたら、重みみたいなものを感じるのかもしれない。まだ動いてるうちはフットワークは軽く。
━━なるほど。
桜井さん:でも、これまで作ったアルバムを聴き返すと、 当時こんな感じなんだとか振り返ることはありますよ。特に、20代の頃に作った作品と比べると、こんな違うのかみたいな。それこそ(写真の)アルバムをめくるような感覚ですね。
YO-KINGさん:今回のアルバムは、35周年だからみたいなことは考えてなかったですけど、1995年に発表した『KING OF ROCK』みたいな勢いのあるものを作ろうっていうテーマが最初にありました。
━━それは、どういうきっかけだったのでしょう?
YO-KINGさん:昨年のツアーで収録曲のいくつかを披露したところ、観客の反応がよくて。思い返したところ、最近こういう勢いのある楽曲にトライしていないという話になり、できるかできないか別として、制作に取り組みました。
━━制作風景はどんな感じでしたか?
YO-KINGさん:最初は街にあるリハーサル・スタジオで、 1000本ノックみたいな感じで、とにかく曲を作って、スマートフォンのボイスメモにアイデアをためていました。そこに残った粗い音の雰囲気がよくて。その雰囲気が残る音にしたいと思いました。
━━前作『TODAY』は、自粛期間を乗り越えて制作された作品。今回は、そこから解放されて自由を噛み締めて、かつ楽しんでいる雰囲気が伝わってきました。
桜井さん:前作はどこか暗いというか。閉塞感やそれを打破するみたいなもののなかにいたから、それをごそっと出すのがいいんだろうなとは思っていて。ある意味、とてもよくできた作品になりました。それから、また通常の活動ができるようになって、どうなるの?と思いながら制作をしていたら、いい意味で抜けている感じがするものになっていて、面白かったですね。特にYO-KINGさんが、想像以上というか今まで見たことのない、切れ味の鋭さを表現されていて(笑)。
YO-KINGさん:最近になって、ようやく自分が変人だってことを自覚してきまして(笑)。そこをブースト(誇大)する作業を今回はしましたね。
━━結果、今回のアルバムはおふたりの音楽への思いがギュッとスクイーズ(凝縮)され、それを自由にリリース(解放)された雰囲気が伝わってきました。
YO-KINGさん:96年発表のシングル「空にまいあがれ」が、これまで得た幸福感を解き放ちスペースを作って、新たな幸福を受け入れる余地を生むっていうような曲なんですけど、そのイメージがこのタイトルに合ったんですよね。
━━アルバム全体の構成は、どのように考えたのでしょう?
桜井さん:僕らとマネージャーさんと3人で、全体のバランスを考えながら構成していったという感じですね。結果、短編映画を観ているような流れのある作品になったと思います。
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