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:【エッセイスト柳沢小実さんのタイ旅行記 第7話】バンコクで音楽や映画、カルチャーを楽しむ
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:リンネルの創刊から誌面を一緒に盛り上げてくれている、エッセイストの柳沢小実さん。旅行がライフワークで、旅に関する著書も多い小実さんが、今とっても夢中になっているのがタイ。この夏、3週間の滞在を経て新たに見つけたタイの魅力を、発信してくれます。
【エッセイスト柳沢小実さんのタイ旅行記 第7話】バンコクで音楽や映画、カルチャーを楽しむ
タイの旅について綴ってくれるのは…
ライブとフェス
タイ音楽中心のプレイリスト。いい曲が流れてきたら、Shazamで曲名を調べてSpotifyのリストに加えます。
コロナ禍にタイドラマを見始めたのとほぼ同時期に、音楽にも夢中になりました。タイ語はやわらかくて耳触りがよく、音も洗練されていてカッコいい。勢いのままに何度かタイへ飛んでフェスやライブに行ったら、エモーショナルかつハッピーな雰囲気でますます虜になってしまった。これまでライブやフェスのために日本各地や台湾へ遠征していたのが、タイも新たに仲間入り。それにしても、アジアのカルチャーはますますボーダレスになっていますね。
ところが、タイに長く暮らしカルチャーに詳しい人によると、クリエイターやファッション好きの大人は、基本的に自国のメインストリームのエンタメ(音楽、映画、ドラマ)を摂取しないのだとか。学生の頃にタイのインディーズ音楽を聴いていた人も、大人になるとiTunesかSpotifyで海外の音楽を聴くようになるそうです。海外ミュージシャンの中古レコードを集めるブームも、10年ほど前から現在まで続行中。それもあってか、この2~3年、タイのインディーズではカセットテープまたはレコードのみでのリリースで、CDはほぼ出ていません。
好みど真ん中のフェス「CAT EXPO」。バンコク郊外の元遊園地で開催されます。出演者のほとんどがタイのバンド。フードやドリンク屋台も多く、あちこちに屋根もあってすごしやすい。チケットは日本からタイのチケットサイト経由で購入しました。
「CAT EXPO」では、アメリカ最大のフェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」にも出演したタイの女性ラッパーMILLIもステージに。どんどん人が集まってきて、すさまじい盛り上がりでした。
タイのインディーズバンドのライブに行くと、お客さんは学生~20代前半がほとんどで、そこにいる30代以上の大人は大抵関係者なのだとか。私もライブやフェスでそれを肌で感じました。
バーやパブでライブが行われることも多く、そこでは生バンドがカバー曲だけを演奏します。そういったお店に有名ミュージシャンが出ることもあって、その際はテーブル予約が基本。たとえば私が行ったライブは「1テーブル5000B、お酒〇杯込み、4人まで着席可能(=当時のレートで一人約5000円)」で、ほかにも座席の場所や人数によっていくつか席種がありました。また、バンコクのショッピングモールやイベントスペースでも、無料のイベントがしょっちゅう開催されています。
SCRUBBのライブは絶対に見たかったので、お店のLINEアカウント経由でテーブルを予約しました。単身の旅行者が3名の同席者を集めるのはかなりハードルが高く、一緒に行ってくれた現地の友人たちに感謝。
ショッピングセンターの広場ではしょっちゅうイベントが開催されていて、有名ミュージシャンの演奏を無料で見られたりも。こちらはミュージシャンのSTAMPさん
また、学生時代にタイのメジャーな音楽やK-popを聴いていたタイプの人は、大人になるとラグジュアリーな雰囲気のクラブやバーなどで、主にK-popやEDMを聴いているそう。たしかに、芸能人やインフルエンサーにそのような人が多く、前回の記事のファッションの傾向とも通じます。
同様にカルチャー好きの大人も、毎年12月にパタヤで開催されるタイ最大級の野外フェス「Wonderfruit」や、海外のインディーズバンドが出演する「Maho Rasop」などの DJ系イベントやフェスに集まります。こちらは基本的にチケットが高額(2500〜3500B/1day前後)なので、客層は30・40代が中心。子ども連れにも配慮されています。
そのほかにヴィンテージマーケット「Made By Legacy」も絶大な人気で、来場者は買い物がてらバンドやDJの音楽を楽しんでいます。バンコク在住の友人知人でおしゃれな人は、こぞってこのイベントに行っているというイメージ。
映画やドラマ
タイの人は新しいものやトレンドに敏感で、Netflixで話題のアメリカや韓国の作品や、人気上位のものを片っ端から観ています。一般的に、韓国の「イカゲーム」や「ペーパー・ハウス・コリア」、アメリカの「ブレイキング・バッド」など、わかりやすい娯楽系が好まれているそう。Netflixで世界各国に配信された日本のドラマ「今際の国のアリス」も、多くのタイ人に視聴されました。
そして、タイのNetflixにはミニシアター系の作品が少ないので、コアな映画ファンは、「House Samyan」などのミニシアター系映画館に通っています。
私の好きなタイドラマ2選
①The Giftedシリーズ
2018年に配信された学園ミステリー。GMMTVの公式YouTubeチャンネルで無料で視聴できます。日本語字幕あり。
②2getherシリーズ
2020年に配信された甘酸っぱいラブコメディ。話題の小説を映像化して、世界中で大ヒット。本編、続編、映画、コンサートと大人気コンテンツに。
日本でも映画が公開されました。ドラマのキャストによるコンサートDVDはいまや貴重なのだとか。
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取材協力:タイ国政府観光庁、Yoko Sakamoto
photo & text : Konomi Yanagisawa
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