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【素敵なおうち訪問】 インテリアデザイナー小林マナさんの好きなものが映える家づくり 【素敵なおうち訪問】 インテリアデザイナー小林マナさんの好きなものが映える家づくり

小林マナさんのご自宅インテリア
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連載 #素敵なおうち訪問

仕事でも家でも「居心地のいいこと」が一番大切と話すのは、インテリアデザイナーの小林マナさん。個性のあるアートピースをそれぞれが引き立つ空間を考えて配置した、小林さんのインテリアのルールを教えてもらいました。

目次
【素敵なおうち訪問】 インテリアデザイナー小林マナさんの好きなものが映える家づくり
  1. 小林マナさん profile
  2. 好きなものに囲まれ、心地のよさとモダンさを兼ね備えた
    小林マナさん宅のインテリア
  3. 柔軟な価値観とさまざまな出会いによって磨かれた感性
  4. 小林マナさんの好きの履歴書

小林マナさん profile

東京都生まれ。1998年に夫の恭さんとともに設計事務所「ima」を設立。東日本大震災を機に保護犬の預かりボランティアをするなど、動物好きとしても知られる。趣味が高じてマヤ暦の講師も。
https://ima-ima.com


好きなものに囲まれ、心地のよさとモダンさを兼ね備えた
小林マナさん宅のインテリア

インテリアは形ではなく、風通しのよさが大切

小林マナさんのご自宅インテリア

カラフルな色のアートピースがガラス棚に飾られた、美術館のようなインテリアながら、とても居心地のいい小林さん宅。子どもの頃から人の家に遊びに行くのが好きだったという、小林さんの最初の記憶は幼稚園の頃。「コンクリートの家は湿気が大変」という大人の会話も鮮明に覚えているほど、友人宅のつくりが衝撃的だったのだとか。

「好奇心も旺盛で、まわりの人の好きなものを柔軟に受け入れてきましたが、とくにインテリアがおもしろいと感じていました」

独立前に夫婦で半年間ヨーロッパを回り、建築やアート、遺跡を見たことで、自分の好きなものがわかってきたそう。

「インテリアデザインは、ブランドの個性を引き出し、活かす内装をデザインするのが仕事。自分の個性を出すのではなく、美いお皿を作るつもりで、主役にしたいものがきれいに見えるために空間をつくります。だから家も木と白い壁でシンプル。色をつけても淡い黄色やグレーなどのニュートラルな色にしているので、私の好きなポップなものを置いても調和します」

仕事で通った北欧の影響を受けて公園の近くに構えた事務所兼自宅には、仕事での学びがふんだんに活かされています。

「公園からの景観を崩さないよう、外壁を黒くしました。木々の隙間から見るとどこにあるかわからないのを見て、成功したなと思いました(笑)。夫婦共に建築として自己主張しすぎるものがあまり好きではないので、室内の居心地の良さを大切に考えました」

部屋の中に、自分のお気に入りのものが活かせるよう考えることが、センスのいいインテリアにつながるのかもしれません。

建築を訪ねて歩いたヨーロッパでは、名建築をまとめた『ヨーロッパ建築600選』(工業調査会)と、『建築家なしの建築』(鹿島出版会)の2冊が役立ったそう。

柔軟な価値観とさまざまな出会いによって磨かれた感性

1.暮らしに彩りを与えてくれる、鹿児島睦さんのデザイン

小林マナさんのご自宅インテリア

事務所に飾られたペインティングや器など、鹿児島さんの作品が随所に。

「鹿児島さんの素晴らしいところは、お皿としても美しいのですが、料理を盛り付けてもとても映えます。だから作る器に許容力があって、料理が映えます。鹿児島さんとの出会いが大きく、うちにもカラフルな器が増えました」

2.夫婦ともに「好きなもの」が感性の起源になっています

小林マナさんのご自宅インテリア

基本的に好きなものが似ているという小林さん夫妻。「リビングに飾るのは二人とも好きなものだけ」がルール。
「同じ展示会に行き、相談せずに各自で作品を買いますが、同じ絵の色違いだったりします(笑)。共有できないものは、それぞれの部屋で堪能。どちらかの好みに偏らないことが心地よさにつながります」


小林マナさんの好きの履歴書

幼稚園生期:幼稚園の友人宅へ遊びに行き、コンクリート打ちっぱなしの住宅に衝撃を受ける。

小学生期:両親が建築家の幼馴染宅へ遊びに行き、空間のつくり方や造形に興味を持つ。

10歳:アメリカに住む祖父の家へ。広くて大きな空間や、コレクトされたカメラや時計など、デザインへ興味がわく。

中高生期:雑誌『mc Sister』を見てファッションに目覚める。兄弟の影響を受けながらフュージョンからクラシックなど、さまざまジャンルの音楽を聴く。

大学生期:武蔵野美術大学工芸デザイン科に入学。課題で木工のイスを作るなど、デザイン設計を学ぶ。

22歳:同校卒業後、ディスプレイデザイン会社に入社。百貨店のシーズンウィンドウなどを手がける。

30歳:結婚。夫婦で半年間ヨーロッパ17か国70都市へ。建築や遺跡などを巡る。

31歳:夫婦共同で設計事務所imaを設立。

33歳:マリメッコやイルビゾンテの国内店舗を設計。

43歳:マリメッコの海外主要都市のフラッグシップストア、ラプアンカンクリのラプア店を設計。

52歳:グッドデザイン賞の審査員に就任(2019 、20 、22 、23年を担当)


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photograph:Keiko Ichihara text:Mayumi Akagi web edit:Riho Abe
リンネル2023年6月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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