松本潤さん「演出家の世界観を具現化する、媒介者になりたい」/舞台『正三角関係』インタビュー 松本潤さん「演出家の世界観を具現化する、媒介者になりたい」/舞台『正三角関係』インタビュー
NODA・MAPの最新作『正三角関係』で、13年ぶりの舞台に挑む松本潤さん。念願だったという野田作品への参加を前に、今の率直な心境を明かしてくれました。
「まっさらの状態」で作品を観てほしい
昨年の大河ドラマ『どうする家康』で主演を務めた松本潤さんが次に挑むのは、野田秀樹さん率いるNODA・MAPの最新作『正三角関係』。約20年前からプライベートでは野田秀樹さんと親交があるという松本さんですが、NODA・MAPへの参加は初めてです。
「野田さんから『久々に飯でも食わない?』と連絡をもらって。かくかくしかじか、こういうことを考えてるんだけど……と舞台の話を聞いて、『めっちゃ面白そうですね、ぜひやりたいです』と即答しました。ただ、東京で2か月ぐらい公演をして終わりかな?と思っていたけど、北九州や大阪もあって、最後はロンドン。それはぜんぜん想像してなかった(笑)。これだけ長い公演は楽しみでもあり、怖くもありますね。ケガやアクシデントのないよう、しっかり準備しないと」
これまで、劇場に足を運んだり、戯曲を読んだり……と野田作品に触れてきたなかで感じた印象は?
「戯曲を読んだときと、舞台を観たときの印象は全然違うんです。もちろん読み物としても素晴らしいけど、生身の人間が台詞を発して、動いて表現することで完成する部分はすごく大きい。僕は2006年に『白夜の女騎士』という、野田さんが夢の遊眠社時代に書いた戯曲を蜷川幸雄さんが演出した舞台に出たことがあるけど、そのときも『これはどういう意味なんだろう?』と最後までわからない言葉も正直ありましたね。でも頭で理解できなくても、言葉が押し寄せてくるスピードやテンポに圧倒される。言葉の響きだけでも感動できるのが不思議だな、と思いながらやっていました」
作品のベースとなっているのは、ドストエフスキーの代表作「カラマーゾフの兄弟」。とはいえ「カラマーゾフを読んだからといって、この作品が読み解きやすくなるわけではない」と松本さん。
「カラマーゾフをそのままやるわけではないので、読むかどうかはお好きなように、というところだと思います。ただ、あらすじだけ読んで来るのはやめたほうがいい。野田さんも言っていましたが、だったらまっさらの状態で観た方がいいと思います。そこは強く書いておいてください(笑)」
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