大原櫻子さん「今できる最善を尽くした10年間」/オールタイムシングルベスト 2014-2024 『Anniversary』インタビュー 大原櫻子さん「今できる最善を尽くした10年間」/オールタイムシングルベスト 2014-2024 『Anniversary』インタビュー
アコースティック・ギターを中心にしたサウンドで、等身大の思いを綴り、さまざまな人に今を生きる輝きを与える楽曲を作り続ける、大原櫻子さん。音楽活動10周年を迎えて、これまでの活動と、これからの展望をおうかがいしました。
17歳の私は生まれたての小鹿のようだった
━━音楽活動を開始されて10年、大原さんにとってこの時間は長かったですか?
振り返ると、あっという間なんですけど、 今回の作品を完成させるにあたって、10年でやってきたことをひとつひとつにじっくり向き合ってみると、とても濃厚だなって。決して短いものではなかったと、改めて感じました。
━━その瞬間のことで一生懸命で、 過去を振り返る機会はあまりないですよね。
そうですね。特にデビュー直後から二十歳になる頃までは、右も左もわからない手探りな状態が続くなかで、お芝居と音楽の両方をやらせていただき、駆け抜けていたという感じでしたから。
━━今回のオールタイムシングルベスト盤は、文字通りこの10年でリリースされた楽曲を発売順に収録。ファンのみなさんも、活動の歩みを振り返られる構成になっていますね。
リリース順に収録した作品は、今回が初めてになります。だからこそ、この10年応援してくださってる方とかは、(写真)アルバムを見返しているような感覚で、10年を振り返れるんじゃないかなって思いますね。
━━ですが、今回は全曲をリマスタリングして収録。オリジナルとは異なる音色を楽しめます。
新鮮な気分でこれまでの楽曲も楽しんでいただける内容になっているとも思います。リリースした当時のままの声なのですが、耳から入ってくる感覚は少し異なるものになっているのかなって。
━━大原さん自身、改めて過去の楽曲を耳にしたことによって、この楽曲ってこういう表情や意味を持っていたんだなとか、改めて感じたことはありますか?
今もライブでデビュー当時の楽曲も歌わせていただくうえで、過去の楽曲を聴き直す機会も多いのですが、10年で人の声ってこんなに変わるものだなって感じましたね。特に「ちっぽけな愛のうた」は、当時とても緊張してレコーディングしていて、その一生懸命な感じが声にちゃんと残っているなって。現在と比べると、表現できていない部分はありますが、あの当時のベストなヴォーカルを閉じ込めることができたと思うし、あの瞬間だからこそ伝えられるよさがあったなって、改めて感じることができました。
━━確かに。その瞬間にしか出せない声だったりとか、表情みたいなものもありますからね。
当時17歳の私の声色は、生まれたての小鹿みたいな感じでしたね。ぎこちなさが出ていて、くすっと笑ってしまう部分もあるのですが、それは10年前にしか出せないよさでもあると思います。
━━10年前と比べて、特にどういった部分が進化したと思いますか?
徐々に観客のみなさんの心に届くためにはどういうものを表現するべきか考えられるようになってから、大きく変化したと思います。また、初期は映画の役をイメージしてライブに足を運んできてくださる方が多かったので、その印象を残したパフォーマンスをしていたのですが、次第に私らしさを緩急をつけて伝えてもいいと考えるようにもなってきました。19歳の頃には舞台にも挑戦させていただき、ライブとは異なる発声方法や表現力を磨くこともできましたし。ひとつひとつ経験を重ねるたびに、表現の幅が広がっていった気がします。
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