FOOD
:脂質=「食べるオイル」は、健康な体に必要! 正しい選び方ととり方を知っておこう
FOOD
:
脂質は健康のためにとったほうがいい? どんなオイルが体にいい? 脂質の持つ役割とその種類について正しく知れば、ヘルシーかつおいしくオイルを楽しむことができます。赤坂ファミリークリニック院長・伊藤明子先生に教えていただきました。
脂質=「食べるオイル」は、健康な体に必要! 正しい選び方ととり方を知っておこう
「ノンオイルがヘルシー」は本当?
オイルは健康な体に必要?
オメガ3とオメガ6のバランスが大切
「脂質は毎日に欠かせない栄養素で、不足すると肌はパサつき、脳の働きも悪くなります。一方、体によくない脂質のとりすぎは、動脈硬化など生活習慣病の原因に。よいオイルを選び、適量とる習慣にしましょう」と、伊藤先生。脂質は含まれる脂肪酸によって、体の中での役割が変わります。肉の脂(飽和脂肪酸)は体に脂肪としてたまりやすいので、なるべくとらないのが◎。植物性油脂には、大きく分けてオメガ3、オメガ6、オメガ9があり、体の中でつくれない必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6は、相反する働きを持ちバランスをとっています。そのうち、普段の食事で不足しがちなのがオメガ3。魚の油やえごまオイル、アマニオイルなどがそれにあたります。「脂質のバランスをよくするには、毎日魚を食べること。くわえて、アマニオイルなどを生で使うのがいいでしょう」

脂質をとらないと、
細胞・エネルギーがつくれない!
体内にある約37兆個の細胞の膜を作っているのが脂質であり、体をつくる大切な材料。脂質が不足すると、肌荒れや髪のパサつきの原因になります。同時に、体を動かすエネルギーも不足してしまいます。

さらに脳の機能低下、 うつや認知症の恐れも

とはいえ、脂質のとりすぎにはもちろん注意を!
20歳以上の女性は脂質とりすぎの傾向が!

健康志向で脂質を減らす人がいる一方、実は成人女性の44%は脂質をとりすぎているというデータが。食生活の欧米化や外食、コンビニ食など脂質が多い食事が増えていることが、原因と考えられます。
脂質のとりすぎは病気の引き金にも……
糖質やたんぱく質が1gあたり4kcalなのに対し、脂質は1g 9kcal。とりすぎは、当然肥満につながり、生活習慣病の原因に。特に、肉の脂は体内でも固まりやすく、動脈硬化や心臓病につながります。
脂質は量だけでなく「質」も大切!
良質なオイルを適量とりましょう
脂質の性質は、それが含まれる脂肪酸の種類によって違います。ポイントは、必ずとらなければいけないオメガ3とオメガ6。適正な量は、1:2とも1:4ともいわれますが、圧倒的に不足しているオメガ3をどうとるかがカギになります。
脂質の種類と、とるべき質のいいオイルはどれ?
<脂質の種類 01>
常温で固体=動物性油脂は、
なるべくとらないほうがベター

バター、牛脂、ラードなど
飽和脂肪酸
常温で固体のもの。基本的には動物が体内で持っている油脂が中心。牛乳の乳脂肪分であるバターもこちら。ココナッツオイル、カカオバターのように、植物性のものも一部含まれます。飽和脂肪酸を多く含む油脂です。
なるべくとらないのがベターです。
<脂質の種類 02>
常温で液体=おもに植物性油脂は、
バランスよくとりいれて

オリーブオイル、こめ油、ごま油、なたね油、アマニオイル、 えごまオイルなど
不飽和脂肪酸
常温で液体の油脂。植物の種や胚芽、果肉などを搾って抽出したもの。魚の油や馬油など、一部動物性油脂も含まれます。不飽和脂肪酸を多く含む油脂です。
不飽和脂肪酸は、体内でつくれないオメガ3、オメガ6と、体内でつくれるオメガ9を含むものに分類される
【体内でつくれない(必須脂肪酸)】
<オメガ3>
不飽和脂肪酸の中でも、細胞膜をやわらかくするはたらきを持つ脂肪酸。えごま油やアマニ油、魚の油に多く含まれる。オメガ6と補完し合う役割ですが、食生活で不足しがち。
<オメガ6>
不飽和脂肪酸の中でも、細胞をかたくする役割を持ち、オメガ3と補完し合う。加工食品、コンビニ食などでは、オメガ6系の油が多いので、日常生活で多くとってしまいがち。
【体内でつくれる】
<オメガ9>
細胞膜の材料やエネルギーになる不飽和脂肪酸。体の中でつくることができます。オレイン酸を多く含み、酸化しにくい特性があるので、オメガ6系との置き換えにおすすめ。

【豆知識】「トランス脂肪酸」は体に悪いの?

不飽和脂肪酸を化学処理することで固体化し、酸化しにくくした油脂がトランス脂肪酸。マーガリンやクッキーなどに多く含まれており、私たちは知らないうちに摂取しています。実はトランス脂肪酸は、心臓に蓄積され、心臓病や糖尿病のリスクを高めるので、アメリカでは全面禁止になっている食品。日本では規制がありませんが、控えたいものです。
お話を伺った
赤坂ファミリークリニック院長・伊藤明子先生 profile

Illustration:Kayo Yamaguchi text:Ema Tanaka web edit:Riho Abe
リンネル2023年2月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
おすすめ記事 RELATED ARTICLES
Recommend
SNAPRanking
DAILY
/
WEEKLY



































