HEALTH
:医師に聞く【今こそ知りたい風邪のことQ&A】 薬は? 食事は? 風邪のギモン・不安を解決!
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:まだまだ厳しい寒さが続くこの時期は、新型コロナやインフルエンザ、風邪などが猛威をふるいます。そんな感染症でつらい思いをしないためには、かからないこと、風邪に負けない体力をつけることが大切。そこで、医師の大谷義夫先生に基礎体力を高める方法を教えていただきました。
医師に聞く【今こそ知りたい風邪のことQ&A】 薬は? 食事は? 風邪のギモン・不安を解決!
教えてくれたのは……医学博士 大谷義夫先生
知っているようで知らない風邪のこと
8つのギモンに大谷先生が解説!
Q1:そもそも風邪ってなーに?
A 鼻からのどまでに症状が出る、 急性上気道感染症の一種です。
Q2:風邪の原因はなに?
A ほとんどが ウイルスですが、ウイルスの種類は200種以上あります。
▪️ ライノウイルス
風邪の30~40%を占めるといわれる、もっとも一般的な風邪のウイルス。「鼻風邪ウイルス」と呼ばれることもあり、鼻を詰まらせたり鼻水を出したり、のどの炎症を引き起こします。春や秋に流行が多いのが特徴です。
▪️ インフルエンザウイルス
インフルエンザ(呼吸器疾患を伴う急性感染症)を引き起こすウイルスで、本来冬に流行しやすい感染症ですが、今年は夏にも流行。季節性のA型、B型、C型に大きく分類され、A型とB型が問題になります。一般の風邪よりも、重くなりやすい疾患と考えられています。
▪️ コロナウイルス
風邪の約10~15%を占めるウイルス。鼻、のど、咳の症状や、発熱を伴うこともあります。コロナウイルスの仲間に2002年に流行したSARSや、2012年に報告されたMERSがあります。
▪️ 新型コロナウイルス
2019年に登場した7番目のコロナウイルス。ウイルス名は「SARSCoV-2」、病名は「COVID-19」が正式。SARSやMERSと共通する部分もありますが、変異を繰り返しています。
Q3:風邪の症状はなぜ起こるの?
A 咳、くしゃみ、発熱などは体がウイルスと闘っている証拠です。
Q4:風邪はどうやって感染するの?
A ウイルスが鼻やのどの奥のほうにくっついて起こります。
感染経路はいくつかあります。
▪️ 空気感染・エアロゾル感染
感染している人が飛ばした飛沫が、からからになって空中を漂いそれを吸い込んで起こる感染。細かい粒子の場合を空気感染、それよりも大きいサイズの粒子をエアロゾル感染といいます。
▪️ 接触感染
ウイルスが含まれた鼻汁、唾液などに直接触れて手にウイルスがつき、その手で鼻や口を触ることで感染します。幼児などが、同じおもちゃで遊んで感染するのはこのタイプ。
▪️ 飛沫感染
感染している人の、くしゃみや咳によって、空気中にウイルスが飛沫として排出され、それを吸い込むことによって起こる感染。だいたい1~2mの距離で接したときに起こります。
Q5:高熱のときに、注意したほうがいいことはある?
A 脱水症にならないように、水分補給を忘れずに。
普通の風邪の発熱は38℃程度で、そこまで高熱にならないことがほとんど。一方、インフルエンザや新型コロナウイルスは、40℃近い高熱が続く場合があります。特に幼児の場合は、熱性けいれんを起こさないかどうか見守りを。また、高熱が続いて汗をかき、水分補給や食事が十分でないと脱水症が起こります。高熱は急に出る場合があるので、水と電解質を同時に補給できる経口補水液を常備しておくと安心です。
Q6:インフルエンザや新型コロナを早く治す方法はあるの?
A インフルエンザや新型コロナには、抗ウイルス薬が有効です。
インフルエンザ……イナビル、タミフル、ゾフルーザ
新型コロナ(重症化リスクありの人)……ラゲブリオ、パキロビット
新型コロナ(12歳以上の人)……ゾコーバ
Q7:市販の風邪薬は飲んでも大丈夫?
A 症状を抑えるためのものだと理解して、適切に服用を。
Q8:風邪のときには、何を食べたらいいの?
A 消化に負担がかからない食事がいいでしょう。
\大谷先生からのアドバイス/
風邪のひき始めには……
風邪をひいたかな?というときには、ごく軽い運動がおすすめ
少しのどがイガイガしたり、だるさや寒気があったり、もしかして風邪かな?という症状のときは、つい放置してしまいがちですが、「私の場合は、ウォーキングを15分くらいします。軽い運動によって、免疫のために働くナチュラルキラー細胞が活性化されるからです」。ただし、疲れるほどのハードな運動をすると、かえって免疫力が下がります。いつも激しく運動しているという人でも、あくまでも軽めの調整にとどめておくのがコツです。
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edit & text: Ema Tanaka illustration: Kayo Yamaguchi web edit:Mina Ota
リンネル2024年2月号より
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