近頃気になる“免疫力”は、自律神経のバランスと腸内環境が鍵。今回は、小林メディカルクリニック東京院長・医学博士の小林暁子先生に、自律神経が整う簡単な運動と、腸をリセットできるゆる断食を教えていただきました。日々の小さな習慣をほんの少し変えることで、免疫力が高まります。
動くことを心がけましょう
軽い運動は、自律神経を整えるうえでも、腸を動かして便秘を解消するうえでも大切。運動ができなくて座りっぱなしには注意を。
□立つ時間を増やす
仕事などで、座っている時間が1日の大半という人はちょっと危険。WHOでも、長時間座っている人はがんや糖尿病、心筋梗塞になるリスクが高いことがわかっており、これは定期的に運動している人でも同様です。1時間座り続けたら、意識的に立ち上がって動いたり、数分間のストレッチを。どうしても座っていなければいけないときは、首筋や手足を動かすだけでもOK。首は自律神経を左右する神経が多いので、固まらないように姿勢を正すようにしましょう。
□簡単なストレッチを取り入れる
隙間時間でできる簡単なストレッチで、心と体を整えましょう。
深呼吸のストレッチ
次に8秒かけてゆっくり吐きます。
ちなみに…
ここが、踏ん張りどころ!と気合を入れたいときは、浅くて速い呼吸を、ふっふっふっ……とくり返します。交感神経が優位になって、やる気モードに。
骨盤回しストレッチ
右手を腸骨の上、左手を肋骨の下にあてて、ぎゅっとつかみます。ここは腸の構造上、便のたまりやすい場所で、刺激を与えることができます。
両手でおなかをもみながら、腰をゆっくり大きく回します。右に8回。左に8回です。
「の」の字ストレッチ
おへそを中心に、「の」の字を書くように、時計回りに何度かマッサージしていきます。
便座に座った状態で、片方の肘を反対側の膝に置き、前かがみになります。これで直腸と肛門の部分が伸びて筋肉がゆるむため、便が出やすくなります。
定期的に腸をリセットさせましょう
腸の中のいらないものを出し切るには、おなかを空っぽにするデトックスの時間が必要。そのための、誰でもできるゆる断食法を紹介します。
□3つの断食から自分にあったものを選び、腸を掃除する
腸は体に必要な栄養素の吸収と、有害なものの排出を同時に行う臓器で24時間稼働中。たまにはファスティング(断食)を行って腸を休めると、リセット効果によって老廃物や有害物質の排出がうながされ、新陳代謝がアップします。酵素ドリンクを摂りながら行うファスティングが一時期流行しましたが、ものによっては血糖値が急上昇してしまうことも。そういった弊害がなく、自分の体調に合わせてできる3つの断食を試してみましょう。
●便秘がちでおなかが重い
●体質を改善したいとき
\Attention!/
断食をはじめる前に…!
断食を突然行うと、人によっては体調を崩す場合も。食べる時間や量を調整して、体を慣らしてから行いましょう。
早めの夕食断食
誰にでも手軽にできるのは、夕飯時間を早める断食。夕飯を早めに食べはじめ、17〜17時半には食べ終えてしまいましょう。食事内容はなんでもかまいませんが、さっぱりしたもので、量も腹八分目にとどめましょう。これなら子どもが小さくて親子一緒に食事をとる家庭でも取り組みやすいはず。寝ている間に腸が活発に働き、翌朝の排便の準備が整うので、これだけでデトックス効果があります。
POINT
食事の指定はありませんが、脂っこいものをたっぷり食べると、消化に時間がかかるので、効果は期待できません。さっぱりした和食に発酵食をプラスしたものがベターです。
3日間断食
食べる回数や時間はいつもと同じでも、食べるものを変える断食です。朝はバナナなどのフルーツとヨーグルト、昼はたっぷりのサラダ、夜はかつお節や梅干しのおかゆかサラダ、いずれも水分はたっぷり摂ります。食べ物自体はとっているので、体への負担が少なく、食事がなくなることによる生活リズムの乱れもありません。また、朝のフルーツとヨーグルトは好きなだけ食べてかまいません。
POINT
整腸効果のあるヨーグルト、サラダやバナナなどの食物繊維、かつお節や梅干しなどの発酵食品と、腸によい食材をたっぷり摂るので、ガンコな便秘の解消を目指す人におすすめ。
1日断食
食べ過ぎが続いて体調が優れないときに、1日だけ水のみを飲んで過ごす方法です。腸を徹底的に空っぽにすることで、腸内の悪玉菌をリセットします。慣れている人なら大丈夫ですが、いきなり始めると気分が悪くなる人もいるので、心配な場合は具のないみそ汁などを飲んでもよいでしょう。食事をとらないことで、生活にメリハリがなくなりがちなので、その時間は、軽くウォーキングなどをして時間を使いましょう。
POINT
1日断食をしたあとに、翌朝おなかが空いたからといって、がつがつ食べては台なし。バナナやヨーグルト、おかゆなどで体を慣らしてから、徐々に普通食に戻して。
教えてくれたのは……小林暁子先生
illustration:Rena Yamanaka text:Ema Tanaka web edit:Mina Ota
リンネル2020年6月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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