【切り紙アートの作り方】 麻生久美子さんが挑戦！ 折って切って開くだけでかわいい簡単なのに奥が深い小さなアート 【切り紙アートの作り方】 麻生久美子さんが挑戦！ 折って切って開くだけでかわいい簡単なのに奥が深い小さなアート

麻生久美子さんが、今回挑戦したのは「切り紙」。紙を数回折って、ハサミでチョキチョキ……。パッと開くと思いもよらないかたちが現れ、大人も子どもも手軽に楽しめる小さなアートです。

教えてくれたのは……矢口加奈子さん

PROFILE

切り紙作家。美術大学在学中より制作活動をスタート。
｢切り紙」という表現方法を軸にArt、Design、Craftと分野の垣根なく活動中。『やさしい切り紙』（池田書店）など著書多数。

小さなアート「切り紙」とは？

麻生 : 「切り紙」って「切り絵」とは違うんですか？

矢口 : 「切り絵」って、ハサミやカッターで細かい図案を切って絵みたいにするものなんですよね。動物や人の顔をぱっと即興で作ってしまう「紙切り」という伝統芸能もあります。私がやっている「切り紙」は、紙を折って切るということがポイントなんです。

麻生 : そうか、折る工程が入るんですね！

矢口 : 紙を折って、切って、開く。それだけなのにいろんなかたちができて、奥が深いんです。下書きもしないでハサミで自由に切るので、一期一会というか、同じものはふたつとしてできないんです。

麻生 : 何年くらい切り紙を作ってらっしゃるんですか？

矢口 : 大学のころからなので、もう25年以上かなあ。

麻生 : そんなに長く！ 紙とハサミだけでこんなに複雑できれいな模様ができるなんてすごいですね。

矢口 : この紙を開くときがおもしろいんですよね。想像もしないかたちが現れて驚くというか。
今回は折り紙を用意したんですが、紙ならなんでもいいんですよ。ラッピングペーパーみたいな大きいものを切ってもいいし、海外の現地の文字が使われたチラシなど使ってもいいですし。

麻生 : 紙が変わると、そんなにも広がるんですね。

「一点もの」ならではの魅力！

矢口 : さっそくやってみましょうか。折り紙の要領で、紙を４つに折って好きに切ってみてください。

麻生 : はい。（しばらく、矢口さんのハサミ使いを見ながら真似してみる麻生さん。
紙を開いてみると……）あれっ、全然、思うようにできていない（笑）！

矢口 : おもしろいでしょう（笑）！
次はこう切ってみようかな、と試行錯誤して、切り方次第でかたちが変わっていく。その瞬間だけの一点ものになるのが切り紙の魅力なんですよ。

麻生 : できた切り紙ってどうしたらいいんですか？

矢口 : 今日は、吊るしてガーランドにしましょうか。額装して飾ってもいいですし、焼き菓子を載せたり、手紙に同封したり、飾る、贈るといろいろといかせるんです。インテリアとしても楽しめますし、自分だけのアート作品にもなる。

麻生 : 素敵ですね。

矢口 : ガーランドにする場合は、いろんな色、サイズの紙を使って、重ねるといいですよ。正解はないので、とにかく好きなように自由にやっていいんです。やり直しもすぐにできますし。

麻生 : 折り方と切り方だけで何通りものかたちが生まれて。「切り紙」ってシンプルだけど、確かに奥が深いですね！ 子どもとも一緒にやってみたいです。

切り紙をつくってみよう！

折り方と切り方次第で、無限にかたちが生まれる切り紙。難しく考えずに切るのが、楽しむコツ！

１ まずは、折る

正方形の紙を、三角に3回折ります。

２ とにかく切ってみる

ハサミで自由に切ります。

３ 開いたら、こんな感じ

パッと開きます。切り方を変えて、さまざまなかたちが生まれるのを楽しみましょう。

完成♪　素敵なガーランドになりました！

いろんな色で作った切り紙を何枚も重ねて、ガーランドに。手芸用のワイヤーを通して、窓辺に飾ったり、いくつも天井から吊るしたり、インテリアに取り入れてもかわいい。

「こんな複雑な模様ができるなんて！」と麻生さんも驚いた、矢口さんの最近の作品。ところどころカッターも使い、下書きは一切なしのすべて一点もの。

【麻生的感想文】

　最初は、ハサミで顔とか蝶とかを切るほうの「切り絵」をイメージしていて、「切り紙」という表現方法があることを初めて知りました。細かい模様にしたくて、切る作業に集中するのも楽しかったですし、開いたときに出てくるかたちに「あっ、こうなるんだ！」という驚きもありました。

シャツ¥23,100／メゾン ド ソイル、キャミソールドレス¥41,800／インジリ（ともにジャーナル スタンダード ラックス 表参道店）

麻生久美子さん

女優。ドラマ、舞台など幅広く活躍。2023年4月からの連続ドラマ「unknown」（テレビ朝日系、火曜夜9時）に出演中。

photograph: Ryoko Amano 　styling: Nami Kagiyama　hair & make-up: Yumi Narai　 text: Tomoko Yanagisawa　web edit：Noriko Naya
リンネル2023年6月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください