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「まるごと冷凍」で夏野菜をもっとおいしく! メリットたくさん冷凍術 「まるごと冷凍」で夏野菜をもっとおいしく! メリットたくさん冷凍術

夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術

暑い夏に悩ましいのが、野菜の保存法。冷蔵庫にしまいっぱなしだと鮮度が落ちるけれど、皮をむいて切って冷凍するのも面倒......。そこで今回は、料理家の沼津りえさんに野菜を丸のまま冷凍する、超簡単テクニックを教えていただきました。日持ち以外に、夏野菜のおいしさが引き立ち、時短調理もできて、いいこといっぱいなので、ぜひ試してみて!

目次
「まるごと冷凍」で夏野菜をもっとおいしく! メリットたくさん冷凍術
  1. 教えてくれたのは...料理家・沼津りえさん
  2. 「まるごと」冷凍することで保存にも調理にもメリットが
  3. 野菜まるごと冷凍 3つのメリット
  4. まるごと冷凍のルール
  5. 3STEPで簡単! 基本の冷凍方法
  6. まるごと冷凍野菜を使ったレシピ

教えてくれたのは...

料理家・沼津りえさん
料理家・沼津りえさん
管理栄養士、調理師の資格を持ち、料理教室「COOK会」を主宰。料理やパン、お菓子など、シンプルで作りやすいレシピが人気。著書に『野菜まるごと冷凍レシピ』、『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(ともに主婦の友社)など。

「まるごと」冷凍することで保存にも調理にもメリットが

「野菜をまるごと冷凍するなんて、と驚く人もいるでしょう。でも、皮むきやカットをした途端に、野菜の水分が逃げるので、鮮度は落ちる一方です。丸のままだと、冷凍自体もラクなうえに、鮮度をキープしながら長持ちさせられます」そう教えてくれたのは、料理家の沼津りえさん。保存の面だけではなく、調理にもメリットが。「水分とともに、うまみも栄養も逃しません。また、冷凍によって野菜の細胞が壊れるので、火の通りがよく、味もしみ込みやすくなります。特に夏は、凍ったままの状態や食感を料理に活かすのもいい。野菜の持つおいしさを簡単にうまく引き出せるので、まるごと冷凍はもはや〝調理〞のひとつです」夏野菜はまるごと冷凍に向くものが多い、と沼津さん。今回は、トマト、なす、きゅうり、ズッキーニ、ゴーヤーを取り上げます。


野菜まるごと冷凍 3つのメリット

1.冷凍前・調理前の下準備が劇的にラクに

冷凍前に、野菜を洗ったり切ったり、皮をむいたりする下準備の必要はいっさいなし。また、野菜をまるごと冷凍しておくと、調理前の下ゆでや皮むきなどが驚くほど簡単にできます。

夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術
冷凍トマトを水に1分ほどひたすと、手を使って皮を簡単にむくことが可能に。玉ねぎやいも類も同様にできる
夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術
冷凍したおくらにそのまま熱湯をかけて1分ほどおくだけで、下ゆでと同じ効果が。葉野菜にもおすすめの方法

2.火の通りがよくなって味がしみやすい

冷凍野菜は、細胞内の水分が凍って膨張し、組織が壊れた状態に。加熱調理すると、細胞から水分がすぐに溶け出すので、野菜が素早くしんなりとなり、味もしみ込みやすくなります。

3.おいしくなって、新食感が楽しめる

冷凍して水分が抜けると、野菜のうまみや甘みなどが凝縮。おいしさがアップし、クセのある風味は和らぎます。ズッキーニなどは、凍ったまま食べると、生とは違う食感が病みつきに。


まるごと冷凍のルール

まるごと冷凍するときには、5つの決まりごとがあります。おいしさを損なわないために、覚えておきましょう。

夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術

冷凍野菜の鮮度を保つには、買った野菜はすぐに冷凍することを心がけて。野菜に汚れがついていなければ、パッケージごと冷凍しても大丈夫です。野菜に水けがつくと変色や腐食の原因になるので、水洗いはできるだけせずに、水けがついている場合にはふき取ってから冷凍しましょう。
冷凍後、冷凍庫から出した野菜はすぐに調理すること。外気に触れると解凍が始まり、水分が出るとともにうまみも逃げてしまいます。解凍後の再冷凍もおすすめしません。冷凍保存は、1か月ほどを目安にして、使い切りましょう。

夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術

冷凍庫から出したばかりのトマトやなすなどは、水に1分ほどさらすとざくざく切れる。きゅうりやズッキーニなどは、洗うだけで切れる状態に。

夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術

冷凍野菜を切り、加熱すると水分が出る。あまりいじらずに、水分をしっかり飛ばすとうまみや甘みが引き出せる。


3STEPで簡単! 基本の冷凍方法

冷凍の手順は、3ステップのみ!野菜を買ったその日にパッと仕込めて、忙しくてもできる気軽さも魅力です

➊拭く

夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術

野菜の表面についた汚れは洗い流さずに、キッチンペーパーでふき取る。それでも汚れが落ちない場合は、部分的にさっと洗う程度にとどめて。

➋ 入れる

夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術

ポリ袋に入れ、袋の中の空気を抜いてから、口をしばります。保存したい野菜の大きさに合わせて、さまざまなサイズのポリ袋を用意しておくと便利。

➌ 冷凍する

夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術

袋ごと冷凍庫へ。テープなどに保存のスタート日を記入し、袋に貼っておけば、おいしく食べられる期間が一目瞭然で、使い忘れも防げます。

【POINT】

夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術
大きい野菜は切って冷凍する
キャベツや大根などの大きな野 菜は、カットして洗い、水けをよくふいてから冷 凍。 切り方や大きさは、調 理のしやすさ優先で。
夏野菜をおいしくいただくまるごと冷凍術
フルーツも同じ方法で冷凍できます
旬の果物も「まるごと冷凍」。皮がむきやすく、凍ったままならシャーベット感覚で楽しめ、加熱してコンポートやジャムなどにしても。

まるごと冷凍野菜を使ったレシピ

まるごと冷凍した野菜を使ったレシピを紹介します。冷凍することで手間が減ったり、味がしみこみやすくなったり、メリットいっぱいです!

冷凍トマトを使ったレシピ

トマトとツナのひんやりそうめん 【冷凍野菜】
トマトとツナのひんやりそうめん
凍ったままざくざく切ってのっければ、トマトの水分ごとおいしいつゆに。そうめんも冷えて、一石二鳥のうれしい一品。
レシピはこちら >>>

冷凍なすを使ったレシピ

麻婆なす【冷凍野菜レシピ・沼津りえさん】
麻婆なす
冷凍なすを炒めると、水分が出て火が通るため、油なしでしっとり。ヘルシーでうまみたっぷりの夏のごちそうおかずです。
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なすと鶏肉の焼きびたし【冷凍野菜レシピ・沼津りえさん】
なすと鶏肉の焼きびたし
油なしで焼き、漬け汁に入れた冷凍なすは味がしみしみ、肉質しっかり。鶏むね肉と合わせて、さっぱりと夏らしく。
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冷凍きゅうりを使ったレシピ

きゅうりと豚肉の甘酢炒め【冷凍野菜レシピ・沼津りえさん】
きゅうりと豚肉の甘酢炒め
水分が抜けた冷凍きゅうりは、炒めるとシャキッと小気味いい食感に。甘酢のさわやかな酸味がよく合います。
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すりおろしきゅうりのデトックスウォーター【冷凍野菜レシピ・沼津りえさん】
すりおろしきゅうりのデトックスウォーター
デトックス効果やむくみの解消も期待できる、きゅうり。すりおろして炭酸水で割れば、すっきりとした色鮮やかなドリンクに。
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冷凍ズッキーニを使ったレシピ

ズッキーニとサーモンのカルパッチョ【冷凍野菜レシピ・沼津りえさん】
ズッキーニとサーモンのカルパッチョ
冷凍ズッキーニの食感のよさが活かせるのはもちろん、刺し身の保冷対策にもなるので、夏場も安心。モッツァレラチーズを合わせれば、カプレーゼに。
レシピはこちら >>>

冷凍ゴーヤを使ったレシピ

ゴーヤーの梅煮【冷凍野菜レシピ・沼津りえさん】
ゴーヤーの梅煮
しんなりしたゴーヤーに梅干しと削り節の風味がマッチ。箸が止まらぬおいしさで、夏のごはんのお供にどうぞ。
レシピはこちら >>>

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cooking : Rie Numazu photograph : Keiko Ichihara styling : Yuko Magata text : Kaori Akiyama

リンネル2023年8月号より
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