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北欧スウェーデンのおやつ時間「FIKA」にまつわる話 Vol.9 「セムラ」 北欧スウェーデンのおやつ時間「FIKA」にまつわる話 Vol.9 「セムラ」

リンネル本誌で連載中の北欧のお菓子のお話。定番のレシピやストックホルムにある一度は訪れてみたい素敵なカフェの情報を、スウェーデンのイラストレーター、ティナ・バックマンさんのイラストとともにお届けします。今回はフィンランドのイースターには欠かせないお菓子「セムラ」についてです。

目次
北欧スウェーデンのおやつ時間「FIKA」にまつわる話 Vol.9 「セムラ」
  1. ふとっちょ火曜日のセムラ
  2. セムラのレシピ
  3. おすすめのストックホルムのカフェ
  4. イラストを描いたのは……ティナ・バックマンさん

ふとっちょ火曜日のセムラ

おばあちゃんのお手製セムラ
 子どものころに食べたセムラで一番おいしかったのは、なんといっても、おばあちゃんの作るセムラでした。
 おばあちゃんの家は、スキー場に行く途中にあったので、スキーの行き帰りにおばあちゃんのところに寄るのがお決まりのコースでした。セムラの季節になると、おばあちゃんは、パンから焼き上げたふわふわのセムラを作って待っていてくれました。

 アーモンドペーストとホイップクリームがしっかりと詰まったセムラは、大人でもひとつでお腹いっぱいになるぐらいの大きさでしたが、あまりにもおいしくておかわりするのがお決まりでした。

セムラの日

セムラはカルダモン入りのバンズにアーモンドペーストとホイップクリームがたっぷりのったお菓子です。
イースターの断食前のデザートとして食べられたのが始まりで、今でもイースターにちなんだ火曜日がセムラの日となっています。

カロリーが高いことから、この日は「ふとっちょ火曜日/Fettisdagen」と呼ばれています。本来はイースターに近づくころに食べられていたのが、今では年明けからベーカリーに並ぶようになりました。

 毎年メディアがベスト・セムラを選ぶので、各ベーカリーは自慢のセムラを競い合います。チョコレートやリコリス入りなどの変わり種セムラも登場し、ベスト・セムラに選ばれた人気のベーカリーには長蛇の列ができます。


セムラのレシピ

おいしいセムラの秘訣はアーモンドペーストの味。このレシピでは砕いたアーモンドも加えています。

●材 料
※スウェーデンの計量カップは1dL/デシリットル(100mL)が一般的  

〈生地1〉
・ 牛乳…2dL
・ イースト…25g
・ 小麦粉…4dL

〈生地2〉
小麦粉…3dL
たまご…1個
塩…2g
カルダモン…大さじ1
バター…100g
砂糖…1dL

〈フィリング〉
アーモンドペースト…500g
アーモンドパウダー…1dL
砕いたアーモンド…0.5dL
カルダモン…大さじ1
バニラシュガー…大さじ2.5
パウダーシュガー…1.5dL
牛乳…1.5dL

〈仕上げ〉
生クリーム
パウダーシュガー

●作り方
〈生地〉
1. 温めた牛乳に小麦粉とイーストを加えてよく混ぜた後、15分寝かせる(生地1)
2. 生地1に生地2の材料を加え、ツヤと弾力が出るまで混ぜる
3. 生地を14等分して丸め、ベーキングペーパーを敷いたトレイに置く
4. 2倍の大きさになるまで1.5~2時間発酵させる
5. 210度のオーブンで、きつね色のバンズになるまで約8~10分間焼く

〈フィリング〉
6. 牛乳以外の材料を混ぜ、牛乳を少しずつ加えてなめらかなペーストにする

〈仕上げ〉
7. バンズが冷めたら、頭の1/4くらいをカットし、ふたにする
8. バンズの下の部分にフィリングをのせる
9. 生クリームを泡立て、星形の絞り出し口の袋に詰める
10. フィリングの上にまんべんなく絞りだし、バンズのふたをする
11. 全体にパウダーシュガーをふる


おすすめのストックホルムのカフェ

トッセ・ベーカリー
エステルマルム地区にある、1920年創業の老舗カフェ。全国パティシエ大会で優勝したスタッフがいるため、品質の高い焼き菓子を提供している。毎年「ベスト・セムラ」にランクインする人気カフェで、セムラの季節には買い求める客で長蛇の列となる。2015年にクレープ状の生地で包んだ「ラップ・セムラ」を発表して一世を風靡した。

※取材&photo: ブルセリド由香

トッセ・ベーカリー
Tössebageriet

Karlavägen 77, 114 49 Stockholm
https://www.tosse.se/


イラストを描いたのは……ティナ・バックマンさん

ティナ・バックマン
Tina Backman
ティナ・バックマン
スウェーデンのイラストレーター、およびグラフィックデザイナー。すべて手描きの温もりの感じられるイラストに、ていねいに色を重ねて作品を仕上げる。スケッチのようなストーリー性のあるイラストが多くの人を魅了。スウェーデンのお菓子のイラストが得意で、カレンダーのイラストなども手がけている。

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illustration :Tina Backman text : Yuka Bruselid&Sachiko Imaizumi 
edit : Sachiko Imaizumi web edit:Noriko Naya
リンネル2023年4月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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