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更年期の症状を感じたら、どんな薬があるの? 漢方や低用量ピルなど、症状や年齢に合うものを知ろう 更年期の症状を感じたら、どんな薬があるの? 漢方や低用量ピルなど、症状や年齢に合うものを知ろう

プレ更年期や更年期の不調を感じたら、どう対処すればいいの? 漢方薬や低用量ピルなど、穏やかに症状を緩和してくれる薬を産婦人科医・大山香先生に教えていただきました。

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目次
更年期の症状を感じたら、どんな薬があるの? 漢方や低用量ピルなど、症状や年齢に合うものを知ろう
  1. 教えてくれた 産婦人科医・大山 香先生 profile
  2. 【プレ更年期の対処例 1】自分に合った「漢方」でおだやかに体質改善
  3. 【プレ更年期の対処例 2】「低用量ピル」で女性ホルモンのバランスを整える

教えてくれた 産婦人科医・大山 香先生 profile

産婦人科医・大山 香先生
日本産婦人科学会専門医。女性ヘルスケア専門医。女性ライフクリニック銀座で臨床にあたる。わかりやすい説明で患者の不安をやわらげる診療を心掛ける。著書に『プレ更年期1年生━その不調、すべて女性ホルモンの減少が原因かも!』(つちや書店)がある。

【プレ更年期の対処例 1】
自分に合った「漢方」でおだやかに体質改善

プレ更年期、更年期の不調がある場合、体のバランスを整えるために漢方薬がよく処方されます。漢方薬は同じ症状でもその人の体質や体力によって合う薬や効果が変わるので、漢方に詳しい医師が診断により総合的に判断していきます。ホルモン療法より効き目はおだやかですが、合う漢方なら体質改善が可能。子宮体がんや乳がん、血栓症の既往があってホルモン療法ができない人でも使えるものも多くあります。専門医に相談のうえ、体質に合うものを処方してもらいましょう。

生薬

■当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
女性の悩みによく使われる漢方薬で、月経トラブル、冷え、むくみに効果的。漢方の「血」が不足してめぐりが悪くなった状態を改善します。やせて体力のない人に合います。

 

■加味逍遙散(かみしょうようさん)
更年期の自律神経の乱れや不眠・不安などの神経症状、PMS(月経前症候群)にも効果があります。虚弱体質でイライラを感じやすい人によい漢方薬。血のめぐりをよくしてのぼせ感を改善します。

 

■温経湯(うんけいとう)
月経トラブル、皮膚の乾燥、足腰の冷え、冷えのぼせ、頭痛や滋養強壮に効く成分を配合。湿疹などの症状の改善にも用いられます。冷え性で体力のない人に合う漢方薬。

 

■桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血行をよくして熱のバランスを整えます。月経痛、頭痛、肩こりなどの改善や、子宮内膜症、子宮筋腫などに処方されることもあります。体格はしっかりしていて、手足の末端が冷える人に。

【プレ更年期の対処例 2】
「低用量ピル」で女性ホルモンのバランスを整える

プレ更年期には低用量ピルが処方されることがあります。ピルの主成分はエストロゲンとプロゲステロンで、月経周期における女性ホルモン分泌のアップダウンをゆるやかにすることにより、月経トラブルが改善するほか、プレ更年期のイライラやむくみ、だるさなどの症状にも有効です。「副作用がある」「太る」などの情報で避ける人もいますが、副作用が出ることはほとんどありません。ただ、ホルモン薬という特性上、使用初期に軽い吐き気などの症状が出ることも。正しい知識を持って、体質や病歴も相談のうえ、医師の指示のもと使用しましょう。

「今は女性ホルモンをコントロールできる時代! 症状が辛い場合は検討してみては」(大山先生)

<メリット>
・ホルモンバランスを整える
・月経痛の緩和

・PMS(月経前症候群)の緩和
・月経周期を整える
・月経の時期のコントロール
・むくみの改善、肌荒れの改善
・骨粗しょう症の予防など

 

<種類>
エストロゲンとプロゲステロンが含まれる飲み薬。1日1錠を一定時間に服用。 3週間飲んで1週間休む21錠タイプと、 4週間の28錠タイプがある。

 

<副作用>
副作用が出ることはほとんどないが、妊娠初期のような症状が出ることも。数日間〜数週間以内で消えることが多い。
・軽い吐き気 ・頭痛 ・乳房の張り ・胃のむかつき

 

<服用できない人>
・閉経後の女性
・35歳以上で喫煙習慣のある人
・乳がん治療中の人
・高血圧、糖尿病、血栓症などの病歴がある人

 

<費用>
1か月2000〜3000円程度

閉経後はホルモン補充療法へ

プレ更年期から更年期への移行と低用量ピル、ホルモン補充療法のグラフ

低用量ピルは、40代後半から50歳くらいの閉経前後にホルモン補充療法(HRT)へと切り替えます。HRTは飲み薬のほか貼り薬やジェル状の塗り薬などの形状も。一時期乳がんや子宮体がんのリスクを高めるといわれていましたが、今は5年以内の使用であれば乳がんリスクは上昇しない、プロゲステロンの併用で子宮体がんのリスクも上昇しないことが定説となっています。

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illustration:Shinco Uematsu text:Ema Tanaka
リンネル2023年8月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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